南の島へ!小笠原訪問記(05/02/21-28)

3ページ目(父島での日々)

 今日は昨日とは一転いい天気です。ただしちょっと風が強め。
小笠原というと海・クジラといったイメージがありますが、自分は山派
ということで今日一日父島のいろんな場所を歩いてみることにしました。

 まずは海に沿って走る道を通って南に向かいます。写真は二見港から
ちょっと離れた場所からの一コマ。よく目立つ船はおがさわら丸です。
実はこの写真の中に共勝丸も写っているのですが、ちょっとわからない
だろうなあ・・・

 漁港の近くにあった「とびうお日時計」です。跳んでます跳んでます
 ウミガメを飼育している小笠原海洋センター。小笠原にはこういった
見学施設が多くあるので、雨の日などは「センターめぐり」なども
いいかもしれません。
 歩いている時に見つけた鳥その1。
 鳥その2。どこにでもいそうな鳥ですが。
 扇浦という集落にある、その名も小笠原神社です。もともと小笠原と
いう地名は信州の小笠原貞頼という人に由来するものだそうで、果ては
南アルプス市(旧櫛形町)の小笠原という地名とも関係しているとの
こと。なるほどねー
 境内の左奥にちょっとだけ写っているのは「無人島発見之碑」です。
 二見港から南に延びる幹線道路「海岸通」は、南に約7キロ行った
須崎という場所でいきなりこのようにブチ切れてます。奥のダートを
進んでいくと・・・
 すぐそこに須崎海岸がありました。海の色がきれい!まさにマリン
ブルー。
 今はシーズンオフということで人影もなく、波の音だけが繰り返し
流れては消えていきます。
 こちらは小港海岸、きれいな砂浜の景色。

さらに南に行くとジョンビーチ・ジニービーチという海岸もあります。
そちらもまた素晴らしいとのことですが、今日はここで海とは一旦
別れを告げて山側に向かいます。

 父島にはいくつか貯水池があります。写真は時雨ダム。ダムとは
言っても水量を調節する機能はなく、ただ堤の高さまで水が溜まって
いるという状態でした。
 車道に別れを告げて山道に入っていくことにしました。目指すは
父島南東端、巽崎の近くにある無名の三角点です。
でも登山道の入口がどこにあるのか分からず、のっけから10分くらい
あたりをうろうろしてました。
 途中ちょっと滑りやすいところもありますが、比較的分かりやすい
道が続きます。1時間ほど歩いたでしょうか、ようやく目指す山頂が
目の前に見えてきました。でも手持ちの地図では登山道が途中で切れて
しまっています。果たして山頂まで行けるかな?
 見晴らしのいい場所からは急峻な崖の風景が見下ろせます。
 いよいよこの山を登りきると三角点!・・・でしたが、道はここで
途切れてしまってこの先の傾斜はかなりきつくてしかも足場が脆そう。
登ることができてもそこから降りられないと困るので、残念ながら
ここで引き返すことにしました。地理院の人ってやっぱりすごいんだなー
 登山道はこんな感じ。内地とはちょっと違った趣きです。どこが道か
わかりますか?
 途中の分岐から東側に下ってゆくと、おそらく父島の海岸の中では
一番の秘境?西海岸に辿り着けます。何で東にあるのに西海岸なんだろう。
秘境なのできれいな海岸なのかなと思って行ってみると御覧の通り。
漂着物が多くてお世辞にもきれいとは言えません。
 どうやら途中で道を間違えてしまったらしく、
行くつもりのなかった躑躅山の頂上まで辿り着いて
しまいました。
 写真はそのあたりから時雨山方面を眺めた景色
です。このあたりに空港を作るという構想もある
ようですが、果たして・・・
 登山道の途中には壕がいくつか。内部が結構広いものもあります。
これも太平洋戦争の遺構です。
 しばらく行くと登山道は舗装道路に変わります。そしてすぐに父島の
もう一本のメインストリートである夜明道路に合流しました。

 夜明道路沿いには中央山という山があって、ここは誰でも行ける
展望台になっています(無料の双眼鏡あり)。中央山にも何かの遺構
らしい物が残っていました。立派な展望台、山の名前も中央山なので
ここが父島最高峰かと思ったら、実は違うんですねー

 中央山、と聞くと父島の最高点のようにも聞こえますが実はそうでは
なくて、父島最高峰は実は向こうに見える山。名前もわかりません。
しかも登るルートも無く藪の中・・・それでも進んでみようとしましたが
木々に阻まれてあえなく挫折しました
 宇宙航空研究開発機構(JAXA)の小笠原追跡所。種子島から
打ち上げられたロケットを追跡監視する施設です。一昨年秋に打ち上げ
られたH-IIAロケット6号機は、ここから破壊指令が送られたのだとか。

 奇しくも昨日がH-IIAロケット7号機の打ち上げ予定日、そしてそれが
少し延びて明日に変更になったそうで、まさにグッドタイミングの訪問
でした。

 長崎展望台から見た兄島。
 これも兄島の風景です。手前は兄島瀬戸。
 小笠原には家族の名前の島がたくさんあります。父島、母島、兄島、姉島、
弟島、妹島、姪島、嫁島、聟(むこ)島、さらには媒(なこうど)島まで・・・
 遊歩道の途中でヤギの群れを見かけました。
 父島ではヤギによる食害が問題となっています。この斜面もヤギに草を
食べられてしまったのでしょうか。
 高いところから見た奥村集落の風景です。夕日に照らされて
ちょっと切なくなる感じの1枚。
 気象庁父島気象観測所です。台風観測などのために無くてはならない
場所。ちなみに、父島初日に行った「ウェザーステーション」は気象庁の
観測施設が建っていることから付けられた名前、だと思いますたぶん。
 思いっきりピンボケの写真で申しわけありません(^^;; この写真で
何を伝えたかったのかというと、小笠原にある「勾配あり」標識は全て
傾斜が10%なのでした。
 翌日は特に何をするでもなくゆっくり父島をお散歩。
この時期、ウェザーステーションではクジラたちと、クジラを追いかける
ホエールウォッチングの船たちを見ることができます。
 それにしてもホエールウォッチングの船はクジラたちに負担にならない
のかな?ここから海を眺めていての正直な感想です。
 写真の中央、ちょっとだけ海が白くなっている場所でクジラが潮吹き
してるらしい。普通のカメラで捉えるにはちょっと遠いですね(^^;;
 展望台の近くを飛んでいた鳥。とても興味深い飛び方をしていました。
強く吹いている風によって揚力を受けながら、羽を動かすこともなく
10秒以上その場所に静止していて、ちょっとした曲芸のようでした
 二見港の近くの砂浜。しばらく気持ちよ〜くお昼寝してました。
帰りたくないなあ
 清瀬集落にはアパート(都営住宅)が立ち並んでいます。
そこにある公園で見つけた遊具。なんと公園でマルペケができる!
残念ながら下の一段は壊れて無くなってました。
 父島に(母島にも)埋められているタイルの中に、共勝丸のタイルも
ちゃんとありました。共勝丸は今頃、伊豆諸島南部の荒れた海を風に
逆らいながら北上しているはずです。
 小笠原YHでは、おがさわら丸の出航日前日に送別パーティーが開かれ
ます。並んでる料理もすごいでしょ?四角い皿に盛られているのは
島特産の「島寿司」。白身魚がだし醤油に漬け込まれたものです。

 送別パーティーでは希望者が一芸を披露。歌あり、踊りあり、「手が
波のように滑らかに動く芸」ありという楽しい時間でした。

 しかもこの日は種子島でのH-IIAロケット打ち上げ日。なんとその飛跡を
小笠原からも見ることができました!薄雲が掛かっていたので残念ながら
光はちょっとぼやけていましたが、西から東に向かって明かりがスーッと
動いていって・・・みんなで歓声を上げていました。

 パーティーが終わったあとのまったりとした時間。いよいよ明日、ここ
小笠原とはおサラバなんだなあ
 出航日の朝です。YHで朝食を食べた後、清瀬集落の高台にある
パン屋さんに行って帰りの船の中で食べるパンをいくつか買ってきました。
小笠原の方にも喜ばれている手作りパンのお店です。
 おが丸の出航日には、郵便局も臨時の窓口(ガレージ)でゆうパックを
受け付けています。心なしか島全体がちょっと慌しい感じ。

 出航は午後2時なので、午前中はまた島内をふらふら散歩してました。

 出航前にみんなで記念写真。今はまだ人数が少ないですが、これからの
時期になると宿泊者が増えていってYHも忙しくなるそうです。
ペアレントさんヘルパーさん、がんばってくださいね!でも残念ながら
ペアレントさんは写ってない・・・
 いよいよ午後2時、おがさわら丸出航の時刻となりました。港では
大勢の人が見送りをしてくれます。なんだか涙を誘うような音楽も流れ
続けている中、汽笛一声、船が港を離れてゆきます。
 さようなら、また来るからね!

(ちなみに手を振っているのは自分じゃないです:-)

 6隻の船がおが丸の後を追いかけてお見送り。「さようならー」の
声が聞こえて、これがまた涙を誘うんだな〜
 20分くらい併走した後、船の上から次々と人が海に飛び込んで、
そこから手を振って最後のお別れ。そちらの方に向けてひときわ大きく
手を振り返したのでした。


 最初から最後まで、本当にいい思い出ばかりの1週間でした。
また行きたい、小笠原へ!