あらためて、この人が歩んできた経歴(グル−プ)と音楽性には驚かされる! 70年代を活躍してたプログレッシヴグル−プを代表するイエス、キング・クリムゾン、ジェネシスに在籍してただけでも驚きだし、決してひとつのグル−プに甘んじることなく、安住の地よりもよりハイレベルの音楽性をここまで追求してきたドラマ−がいただろうか? 暫くのジャズ活動後、還暦間際になり、ライヴ活動に事実上終止符を打ったのは何とも残念でならない。
キング・クリムゾン解散後は、カンタベリージャズロックの代表ナショナル・ヘルスやゴング、そしてフィル・コリンズの要請でジェネシスのツアーメンバーなどのセッション活動を経て、クリムゾンの同僚、ジョン・ウェットンとともに1978年にスーパー・バンドといわれたU.K.を結成。 1981年に、再結成されたキング・クリムゾンに参加。 1986年に自身のジャズ・バンドであるアースワークスを結成。 これと並行して1989年には実質的なイエスの再結成バンドであるアンダーソン・ブラッフォード・ウェイクマン・ハウに参加し、1991年には再々結成したイエスのツアーに参加したが、短期間で再び脱退。 1994年にはダブルトリオとして再編成されたキング・クリムゾンに参加した。ロバート・フリップとの見解の相違から、1997年にキング・クリムゾンを脱退し、ソロ活動一本に絞った。 自身のプロジェクトでもプログレ系ミュージシャンを多数起用しており、彼抜きにプログレは語れないといえるほどの存在感を示したが近年はロックミュージックからは距離を置いた活動に重きを置いており、自身が中心となるコンテンポラリージャズのバンド「Bill Bruford's Earthworks」(1980年代に活動した同名のバンドとはメンバー構成が異なる)のリーダーとしても精力的に活動している。 2009年、還暦を過ぎた事から「ライブ活動からの引退」を宣言し、現在は表立った活動をしていない。 お勧め作品 (フュ−ジョン ジャズ) Music For Piano & Drums / Bill Bruford & Patrick Moraz ブラッフォ−ドもモラッツも共にイエス出身者ではあるのですが、同グル−プで共にプレ−した時期こそありませんが、お互いジャズにハ−トをもつ共通的からか、生ドラムに生ピアノというシンプルなデュオアルバムを作成しました。 普通ならばこういう企画も退屈な音になりがちですが、才能豊かな二人だからこそ聴けるス−パ−プレ−に全てを許してしまいます。 スパイス・オブ・ライフ / 渡辺香津美 日本のス−パ−ギタリスト渡辺香津美が中心となったユニットで、何とドラムがビル.ブラッフォ−ド、ベ−スがジェフ.バ−リンという協力リズム隊! このメンバ−がそのまま来日公演を行ない、DVDとしてもリリ−スされている。 渡辺香津美に刺激されてか、ブラッフォ−ドのドラミンクもいつになくテンション高く、はりきっていらっしゃいます(^^) All Heaven Broke Loose / Bill Bruford's Earthworks ブラッフォ−ドのジャズユニット(ア−スワ−クス)がエレクトリックなことをやってた時期で、’91年の来日記念アルバムとなった作品。 エレクトリックドラム(シモンズ)の可能性を最大限引き出すブラッフォ−ドのプレ−が冴え渡ります。 この頃のブラッフォ−ドは、イエス(ABW&H)のロックと並行して、このア−スワ−クスでもプレ-してました。 Sound Of Surprise / Bill Bruford's Earthworks Part And Yet Apart / Bill Bruford's Earthworks 上記二枚は21世紀になって再結成されたア−スワ−クスのスタジオアルバムで、以前のエレクトリックな音ではなく、サックス、ピアノ、ウッドベ−ス、そしてブラッフォ−ドも生トラムを叩くという完全なるジャズユニットです。 音だけ聴いてると、「これが本当にロック出身者のドラマ−なのか!?」と疑いたくなるような素晴らしいジャズドラムを演奏してます。 Footloose And Fanc Free / Bill Bruford's Earthworks 上記のスタジオアルバムをリリ−ス後、録音されたライヴアルバムで、ブラッフォ−ドのドラムが本当の意味で開花したと言ってもいいでしょう! この頃から、もうブラッフォ−ドはロックとは決別し、昔から本当にやりたかったジャズ一本に絞ったようです。 |