Ｙｕ＆Ｍｅ＊不妊・不育症・夫婦双方の要因

通常の人は全身の細胞に２２種類を２本ずつと性染色体２本、計４６本の染色体（遺伝子の集合体=人間の設計図）を持っています。
まれにその数、染色体の長さ、順序などに異常を持つ人が見つかります。
本人は、まったく異常のない場合がほとんどですが、受精卵の染色体異常をおこしやすくその場合流産率が高くなります。

ちょっと難しい話…
常染色体と性染色体
ヒトの染色体は２２対４４本の常染色体と、正常女子の染色体ＸＸ、正常男子の染色体ＸＹの性染色体があります。
卵子の染色体は２３Ｘで２２本の常染色体とＸ染色体１本から構成されます。
精子は２３Ｘ、２３Ｙの２種類があります。
つまり、赤ちゃんの性別は精子の持つ染色体で決定されるということです。
ターナー症候群
Ｘ染色体を持たない卵子と２３Ｘの精子、もしくは２３Ｘの卵子とＸ染色体を持たない精子が受精すると４５Ｘの受精卵となります。
このほとんどは流産してしまいますが、極まれに（０．７％）発育を継続して生まれることがあります。
これはターナー症候群と呼ばれ、身長の伸びが悪かったり、原発性無月経、早期閉経などの異常が起こります。
ターナー症候群の女性は1％に自然妊娠が成立する可能性はあるものの、それも残念ながら流産率が高いと発表されています。
４６ＸＹ女性
本来は男性の染色体である４６ＸＹでありながら、外見上女の子としか思えない場合があります。
外性器、内性器ともに女性型ですが、卵巣を持たないため無月経となる【４６ＸＹ性腺形成不全症】、外観は完全な女性型であるが、膣は短く子宮、卵管が欠如、造精機能を持たない精巣をお腹の中に持つ【精巣性女性化症】の２種類があります。
４６ＸＹ女性は卵巣を持たないため、妊娠は不可能です。
４７ＸＸＹ男性
クラインフェルター症候群と言われ、精子形成機能に障害を及ぼす病気です。
症状として精巣の萎縮や無精子症などがあります。
転座型保因者
染色体の数には問題がなく、染色体が一部で入れ替わっている状態をいいます。
転座には染色体に過不足がなく生きる上では支障がない「均衡型」と、異常があり流死産するか、重い障害を抱える「不均衡型」があります。
理論上は２５％の確率で正常な子供が、２５％の確率で自分と同じ異常を持った子供が産まれる、５０％は流死産となります。
受精と分割の異常
通常１個の卵子と１個の精子が受精し、２倍性の受精卵ができます。
１個の卵子に２個の精子が受精した場合、３組の遺伝子を持つことになり三倍体と呼ばれ流産してしまいます。
また、受精後最初の分裂異常で４セットの遺伝子を持つ細胞ができることもあります。
これは４倍体と呼ばれ、これも流産します。
ダウン症
常染色体異常のなかで最も多い疾患です
２１番染色体が１本過剰で３本あります。
比較的他の染色体のトリソミーよりも軽度の先天異常で、正常に生まれて来る頻度が高いです。
頻度としては約１０００の１の確率でダウン症が見られます。
知的発達の遅れや、心疾患などの合併症を伴うことものある先天性の症候群です。