Yu&Me
〜ナースステーション〜
*妊娠*
赤ちゃんからのSOS


妊娠中毒症

妊娠が原因で起こるさまざまな症状があります。

この症状がひどい状態で病的な場合を「妊娠中毒症」といいます。

妊娠28〜32週頃にかかりやすく、原因ははっきりとしていません

重症化した半数近くの人に、高血圧や蛋白尿の後遺症を残すことがあります。

妊娠中毒症の主な症状
●むくみ
手足がむくみ、指で押してももどらない。
体重が1週間に500g以上増える。
重症になると全身にむくみが現れる。

要注意これがむくみの症状!
・すねを指で押さえる⇒ペコっとへこんだまま戻らない
・靴がきつい
・指輪がきつい
・手を握るとムクッとしている

高血圧
収縮期血圧(※)が140mmHg以上、拡張期血圧が90mm/Hg以上。
(※血圧が140−90の場合、140が収縮期血圧、90が拡張期血圧)
頭痛や肩こりなどの症状がある場合も。

●タンパク尿
尿検査で尿中のタンパクが検出される。

こんな人がなりやすい!
前回、妊娠中毒症だった人
妊娠中毒症の症状が産後も解消されない場合、次回妊娠も発症する可能性が高くなります。
持病がある人
高血圧、腎臓病、肝臓病、糖尿病のある人は、妊娠によって症状が悪化し、妊娠中毒症を発症しやすくなります。
多胎妊娠(双子以上の妊娠)の人
赤ちゃんの人数が多ければ、その分たくさんの酸素や栄養を赤ちゃんに送らなければなりません。
母体への負担が大きくなり、妊娠中毒症を発症しやすくなります。

太りすぎの人
高血圧の場合が多く、母体に負担がかかり発症しやすくなります。
1週間に500g以上体重が増える場合は要注意。

家族が病気になったことがある人
家族に高血圧や糖尿病の人がいる場合、遺伝によって妊娠中毒症を発症する確率が高くなります。
高齢出産の人
高齢による身体への負担が大きく、生活習慣病にかかりやすいのが原因といわれています。

重症になると…
ママへの影響
・常位胎盤早期剥離⇒早産
・子癇(突然痙攣を起こし昏睡状態になる)
・尿毒症(腎臓の働きが悪くなる)
・肺水腫(肺に水がたまり呼吸困難に)
・妊産婦死亡率上昇
赤ちゃんへの影響
・発育が遅くなる⇒低体重児出生率2倍
・胎児死亡率上昇⇒3倍
・胎児仮死率上昇
妊娠中毒症の予防法
妊娠中毒症は簡単に予防できます
次のことに気をつけて妊娠生活を快適に過ごしましょう。
きちんと体重管理
カロリーに注意し、間食は控えましょう。
炭水化物(米、パン、メン)、甘いもの、お菓子、油脂類、果物類のとりすぎに注意しましょう。
※果物は意外と高カロリーなため注意!

塩分に気をつける
塩分の摂り過ぎは高血圧の原因に。
1日7〜10g程度に抑えましょう。

休養はしっかりとる
睡眠や休息は十分にとり、過労は避けましょう。
良質のタンパク質をとる
身体のエネルギー源となる植物性タンパク質(とうふ、納豆など)を摂るよう、心がけましょう。
定期健診は必ず
妊婦検診で妊娠中毒症が発見されることが多いです。
ママのために、赤ちゃんのために必ず検診は受けるようにしましょう。

妊娠中毒症になったら
「妊娠中毒症です」と言われてしまったら…
慌てなくても大丈夫。
軽症の場合はお家で食事に気をつけ、安静に過ごすことで様子を見ます。
重症の場合はすぐに入院し治療が行われます。
入院時の治療
入院すると塩分制限、高タンパク食の食事療法と安静を主とした生活になります。軽症の場合は4〜5日で良くなる人がほとんどです。
こんな検査をします
血圧測定、尿検査、血液検査、胎盤機能検査などが行われます。
赤ちゃんの状態もチェック

NST(ノンストレステスト)による赤ちゃんが元気かどうかの検査をします。
出産後には治る?
妊娠中毒症は出産が終われば治ります。
ただし、高血圧などの症状が産後も残ってしまう場合もあります。
妊娠中と同じように健康管理には十分に注意しましょう。

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