Yu&Me
〜ナースステーション〜
*妊娠*
赤ちゃんからのSOS
出血
出血の原因にはいろいろありますが、心配なのは『お腹の赤ちゃんに影響する出血』です。
鮮血(鮮やかに赤い血液のこと)の時は新しい出血=今起きている出血です。
多量な出血(目安として生理2日目程度の出血)、腹痛をともなう場合は夜間でも早急に受診が必要です。
量は多くないけれど赤い出血も場合も必ず受診しましょう。
茶褐色(錆びのような色)の出血、薄い出血の時は古い出血であると考えられますので、鮮血ほどの緊急性はありませんが、早めに受診したほうが安心です。
妊娠初期の出血・主な原因
流産
妊娠11週くらいまでの赤ちゃんは子宮の中で非常に不安定な状態で過ごしています。
それまでの期間は流産しやすい時期なので気をつけましょう。
※切迫流産
赤ちゃんは元気だけど出血している状態。
治療が必要。
※流産
赤ちゃんが成長しない、心拍が停止した状態。
妊娠は中断され、手術が必要。
着床時出血
受精卵が子宮の内膜に着床するときに起こる出血。
通常の月経よりも少なく、短期間で治まる。
月経予定日頃に起こるため妊娠に気づかないこともある。
絨毛膜下血種
胎盤になる組織である絨網膜と子宮の壁の間から出血が起こります。
特別な状態を除き、そのまま治ります。
子宮外妊娠
子宮以外のところに受精卵が着床。
妊娠反応が陽性になっても子宮内に何もみえない状態。
卵管に着床した場合、受精卵が大きくなると、卵管破裂する場合があり危険。
残念ながら妊娠の継続は不可能です。
手術が必要。
胞状奇胎
子宮内に作られる絨毛という組織が増殖異常をおこすことで、俗に「ぶどうっ子」と呼ばれています。
残念ながら妊娠継続は不可能です。
絨毛がんへの移行する可能性があり。
手術が必要。
子宮膣部びらん
膣がが炎症をおこしたり、ただれた状態。
妊娠中の出血でもっとも多く、50%くらいの妊婦さんが経験する。
頚管ポリープ
子宮頚管の粘膜が増殖し、ポリープができる。
ほとんどが良性。
柔らかい組織でできているため、わずかな刺激で出血します。
妊娠中は特に治療せず様子をみることが多いです。
ひどくなるようなら、切除することもある。
(プチっととるだけの簡単な処置)
粘膜の傷
内診や性交渉時についた傷によって出血することがあります。
通常の月経よりも少なく、短期間で治まります。
2日程度で治まれば心配はない。
妊娠中期〜後期の出血・主な原因
早産
子宮が収縮し、産道が開こうとすることで、子宮の壁と赤ちゃんが入った膜の間がずれ、剥がれてしまい出血が起こります。
早産の危険性があるため治療が必要です。
※早産
妊娠22週から36週までの出産を「早産」といいます。
※切迫早産
早産しそうだけど、安静や治療で妊娠状態を保てる状態。
子宮頚管無力症
赤ちゃんが産まれるまで閉じているはずの子宮口が、妊娠の早い時期から開いてしまうことです。
子宮口を縛る手術が必要です。
前置胎盤
普通、子宮の上側に付くはずの胎盤が子宮の入り口側に付いてしまうことがあります。
子宮が収縮した時に胎盤が剥がれ、大出血することがあります。
痛みは感じないことが多い。
子宮が大きくなる間に上側に上がっていくこともあります。
帝王切開で出産となります。
常位胎盤早期剥離
妊娠中に突然胎盤がはがれてしまうことをいいます。
妊娠中毒症の場合起こりやすいといわれています。
胎盤が先にはがれると大量に出血する、赤ちゃんは酸素や栄養をもらえなくなる、など母子ともに生命に関わります。
出血は最初は少量、徐々に増えていきます。
お腹の中で出血しても外側に出てこないこともあります。
妊娠後期、腹痛を伴い、お腹がカチカチに固くなるのが特徴です。
緊急帝王切開になることが多いですです。
既に分娩進行しており赤ちゃんが元気な場合、鉗子や吸引で経膣分娩を行う場合もある。
子宮頚管炎
膣からバイ菌が入り子宮の入り口部分が炎症を起こします。
おりものの異常で気づくことが多いです。
ひどくなると子宮頚管→子宮付属器→お腹の中へと炎症が広がります。
大腸菌やブドウ球菌、クラミジア、淋菌などが主な原因。
赤ちゃんを包んでいる膜に感染すると、前期破水や切迫早産の原因になる事があります。
また、お産のときに子宮頚管炎が続いていると、赤ちゃんが産道感染を起こして、新生児肺炎や結膜炎になってしまう事があります。
お薬で治ります。