Yu&Me
〜ナースステーション〜
*中絶*
●人工妊娠中絶の現状
平成15年度の厚生省の統計によると、日本における人工妊娠中絶の件数は年間319,831件であり、全国で1日平均900件、2分間に1件の割合で中絶が行われていることになる。
年齢別にみると、10代の人工妊娠中絶件数は約4万件、20代では14万件、30代で11万件、40代以上で2万件。
「望まない妊娠」がある限り、どの世代の女性にもありうることなのである。
件数だけでなく、全妊娠数に対する割合を見る10代では65%、20代で40%、40歳以上が70%と高い割合で中絶をしていることが分かる。
平成8年以降、10代〜20代の中絶が増えているのが現状。
しかし、中絶をした女性たちの心のケアは、ほとんど行われていない。
施術前後に中絶当事者の精神的な苦悩に何らかのケアが必要であることは多くの研究者が指摘しているが、なかなか実施に移されない。
中絶を終えた女性は空虚や罪悪感、悲嘆、不安、さらには中絶に至った相手との関係性の問題……等々が錯綜している心の内を、誰かに聞いてもらいたい反面、自らの後ろめたい過去を話したくない気持ちの両面を抱え独り悩んでいることが多い。