このところ、近場に遊びに行くのばかりで、ちっとも遠出してないなーと、ふと思ったので、江ノ島方面に散歩に行ってきたのだった。
……全然遠出ではないやん!と思ったあなたは大正解。
なんかね、11月はほんとは一年で一番楽なはずなのに、これがどうもエラい大変になっていて、ちょっとパワーが落ちてるのよ。まあそんなわけで、てっとりばやく潮風を浴びに行ってきたわけです。
江ノ島はなんども行っているし、生しらす丼でビールを飲んだ以外は特筆すべきこともないので割愛。
業務連絡。
えー、去年の江ノ島の写真をこないだ渡しそびれました。そのほかいろいろお礼が遅くなっていてすまん。
業務連絡終わり。
しばらく海を眺めてぼーぜんとしたあと江ノ電で鎌倉へ。小町通りで買い物がてら、鎌倉宮あたりまでふらふら散歩。
今回の遠出、というか、近出の目的のひとつが、送別会の贈り物探しであったわけで。首尾よくゲトしたら、ほかに特筆することもないのでやっぱり割愛。
さあて、ご飯でも食べて帰るかーとなったのだが。
小町通りの喧騒にいささか疲れていたので、駅前にもかかわらず、まったくはやっていない蕎麦に入ったのが、失敗といえば失敗だった。
味は可もなく不可もなく。ごぼうと芝エビの掻き揚げは、ちょっとしつこいけど、まあ生ビールのあてには悪くない。
で、文庫本読みつつしらすせいろをぞるぞるすすっていた私に、ひとつ席をおいた向こうに座った女の子が、「通ですね」と声をかけてきた。どうやらワサビをツユに溶かさず、蕎麦の上に置いて食べてることを言っているらしいのだが。別に通ぶっているわけではないのだがね。
見ると彼女の方も一人で、卓には地ビールのグラスがある。おお、女が一人で飲める世の中になりつつあるのねーと思い、文庫本を閉じてぼつぼつ会話をする。
連れが先に帰って、でもちょっと喉も渇いたし。
へー、そうなんですか。
小町通りにソーセージ食べられるお店がありましたよね。
あったあった。混んでて入れなかったけど。
などという他愛もない会話のあと、先に食べ終わった私は 「ではお先に」 と席を立った。ところが。
「もしよかったら、またふらっと鎌倉に来た時、一緒に歩いてくださいませんか?」
……はい?
えとー、ワタシとあなたは初対面。なおかつ当たり障りのない話はしましたが、とりたてて意気投合したわけでもなく。
あのあのそれってつまりえっと?
わりかし美人で彼氏の一人や二人いそうなタイプであるのに、なんでよりによって住吉に声をかけるかね。まあ、いろいろ可能性は考えられるが、普通に思い浮かぶのは。
@住吉のことをなぜか気に入って友達になりたいと思った。
A「あちら側」の人で、やっぱり住吉のことを気に入ってナンパした。
ワタシとしては、バイだろうと 「あちら側」 だろうとそれは個人のことなので別に気にしない。しかし、なんの前振れもなく、いきなり蕎麦屋で話しかけてくる時点でそもそもNGだ。それは男に声を掛けられたところで同じこと。
いやそれ以前に、ほんとにナンパだった(「友達」 にせよ)のか? と考えると、自慢ではないが、住吉は声をかけたくなるほどのいい女である自信がない。それはもうキッパリと。
まあ、世の中にはいろいろな趣味嗜好があるので、髪ぼさぼさで化粧気もなく、ジョッキでビールをかっくらいつつお行儀悪く本読みながら蕎麦をすする、そんな女にときめきを感じるヒトがいないとも限らない。
が、そんな確率、どれだけあるだろう?
となると、蓋然性があるのは次の可能性だろうかと。
B宗教。
もちろん、お誘いは丁重にお断りしました。