腹をこわしたときに愛飲しているのが、百草丸である。
いま我が家にあるそれは、去年腹をくだした折に買ったものであるが、たまたま置いていなかったのか、いつも求める小瓶が薬局になく、大きい瓶を買わざるを得なかった。
のであるが。
内容量、
1600粒。
独り暮らしには、いささか多すぎやしないかえ?
たしかに、この薬は朝昼晩の三食後、1回に20粒も飲むことになっている。だからある程度は量がないと、すぐになくなってしまう道理ではあるのだが。
えーと、1600で20/回、ということは、単純計算で80回分である。
まあ、1回の腹くだしにつき1回しか服用しないわけでもないので、経験則で4回としよう。
しかしそれでも20回である。
20回腹をこわさねば、瓶が空にならないのである。
幸か不幸か、いやどちらかというと幸なのだが、昔は便秘と下痢をくりかえしていた我が腹も、成長するに従ってだんだんと丈夫になり、神経性の下痢をわずらった一時期を除けば、お通じもだいたい安定してきている。
ということは、ますます薬の減りがゆるやかになり、このままではいつ飲みきれるか分かったものではない。
で、たまたまなのだが、先ごろ職場で腹を壊す人が続出した。
別に集団感染などではない。単に体調不良や冷えすぎが原因(たぶん)だったのだが。
こういうときこそ、大瓶の出番である。
というわけで、同僚の腹治しに役立ててもらったのだった。
しかしつらつら考えるに、私の腹が丈夫になってきたのは、腰まわりに肉が付き始めた頃からではなかったか。
というのは、薬を分けたうちの一人が30代半ばの庶務さんだったのだが、彼女はスタイルが非常によろしく、ウエストなんざ手でつかめるくらいである。
そのうえ美人さんで仕事もできて、立ち居振る舞いも優雅である、という非の打ち所のない女性なのだが、実は性格は男前で、なおかつ豪快な酒飲みだったりする(ちなみに好きなのは焼酎)。が、まあそれはおいといて。
何が言いたいのかというと、
痩せている彼女および痩せていた私 = お腹が弱い
ふくふくと順調にお肉がついてきた私 = お腹が丈夫
ということはやはり、お腹がの脂肪がないと、保温しなくて冷えてしまうのではなかろうか。
体の美しさをとるか、体の楽さをとるか、なかなか困る選択肢だが。
「一緒にふとりましょう〜〜!」とお誘いしたら、即座に却下されたのだった。
ちなみに、脂肪は冷えるので、肉が付いているとかえってお腹を冷やすという説もあり。