奥村幸大

 

「伊藤俊介です!! ベテランらしいレースを見せました!!」
力強いガッツポーズを見せ、美しい顔を喜びで一杯にしている俊介を見て、
呆然とする男がいた。

奥村幸大。レース直前、気合を入れ、このレースに対する思いを誰よりも
強烈にアピールしていた男は、呆然と喜ぶ俊介を見ていた。
「やられた・・・けどすごい・・・。」

レースが終り、インタビューを終えたシュンスケを見つけた。
「ありがとうございました」ヨシヒロはシュンスケに握手を求める。
「ありがとう」さっきまで喜びに吠えていたシュンスケとはちがい、"大人の男"
に戻ったシュンスケにヨシヒロは改めて思った。
「すげぇ・・・。プロは違う。この時点で負けている・・・・。」
そして、もう一つのある感覚が浮かんできてしまった。

その夜・・・。
大阪のとあるプールで必死に泳ぐ一人の男の姿が合った。
ヨシヒロ。何かの思いを必死に振り払うかのように泳いでいた。
赤い小さなSPEEDOは、その肉柱をイヤと言うほど刺激する。
「何だ・・・・アノ気持ち・・・何なんだ!?」
"憧れの人"だったシュンスケを"愛する人"として見ようとしている自分自身に戸惑いを覚える。
「ライバルなんだぞ!? ライバルなんだぞ!!」
必死に自分自身を追い詰めるヨシヒロ。けど、泳げば泳ぐほどその思いが強くなる。
「何とか・・・何とかしてくれ!!」誰に助けを求めればいいのだろう。
この身体の思い。泳げば泳ぐほど、何かを感じる・・・・・いや・・・・
本当に何かを感じる、何か・・・触られているような。

そのうち水がドロドロとしてきて前に進み難くなる。
なんで? それほど思いが強くなってるのか?
ヨシヒロは自分の身体を何か、触られているような感覚を覚える。
そして、それは現実のものになりつつあった。
「ぐうああ!」突然手足をつかまれるような感覚を覚えたかと思うと、そのまま天高く突き上げ
られた。

プールの水はゴムのように固まり、一筋の道を作ると、ヨシヒロをその道を滑らせるように運んでいく。
「エ、あ、助け、あう」助けを呼ぶひまも無く、プールサイドに打ち上げられたヨシヒロは
必死にその拘束から逃れようとする。

「つっ! 離せ、離してくれ!!」絶叫するかのように叫ぶヨシヒロ。
深夜のプールには誰も居るわけでもなく、水銀灯がヨシヒロの姿を晒すだけだった。

「逃げるなよ。」
ハッとなるヨシヒロ。突然、プールの水の一片が変化し、頭、胴体、腕・・・人間の形に変化した。
映画のCGの世界が目の前で起きている事に、ただ唖然としているヨシヒロ。
抵抗を忘れ呆然としていた。
そして、水から現れた人間を見て、ヨシヒロは愕然となる。

そこに居たのは、さっきまで自分が思っていたシュンスケだった。
シュンスケはプールから上がるとヨシヒロに覆い被さってきた。
「シュ・・・シュンス、ケ・・・」あまりの事に恐怖と緊張を混ぜ合わせた表情をするヨシヒロ。

「怖がる事無いよ。」シュンスケの瞳は確実にヨシヒロを捕らえた。
ヨシヒロはもう動く事すら出来ない。そこにはあの"気合を入れまくる"ヨシヒロの姿は無い。
"淫"の世界に引きずり込まれた少年がそこにいた。

シュンスケは黒いSPEEDOから飛び出し、へそを軽々越える大きさを持つ巨柱をヨシヒロの赤いSPEEDO
に押し付ける。既にヨシヒロの肉柱もへそを軽々越えている。
重なり合った巨根は、互いの淫液がブレンドし、強烈な匂いを放ち始めた。
「イ、イトウさん、こ、こまります!!」その声は完全に上ずっていた。
拒否の言葉に力は無い。なぜなら、"それ"を求めている事の裏返しだから・・・。
焦りまくるヨシヒロをたしなめるかのように、淫靡に腰を振り、摩擦を起こす。
溢れ出る互いの淫液。
「あ、はぁ、ああ」遂にヨシヒロの艶やかな喘ぎが響く。
一つ擦る度に身体を痙攣させるヨシヒロ。シュンスケはヨシヒロの首筋に熱いキスをする。

自分を抱いている男が幻想であろうと本物であろうとどうでも良くなった。
彼は何時の間にか足を開脚され、赤い競パンを噛み切られ、尻の部分だけを開けられた。
シュンスケは噛み切ったところから見えるヨシヒロの真っ赤な尻孔に舌を突き入れる。

「ああ、はぅあ、ああぁ」無意識に、初めてあげる喘ぎ声。大人の魅力に翻弄されるヨシヒロ。
足を天井のほうへ向けられ、誰も受け入れたことのない赤い果実に突き入れられる。
嬲りをやめたシュンスケ。体制を整え、己の巨砲を赤い競パンの割れ目から突き入れる。
「あ、あああーーー!」真っ暗闇のプールに響き渡る少年の叫び、それは痛みではなく
快感によるもの。
激しく腰を振り上げ、腰を突き立てるシュンスケ。その顔は性獣に変わり、
快楽を吸い取るオスになった。
「ヒィ、アア、シュンスケ、アア、グオ」内臓を持っていかれるような感覚に意識を失いそうになる
ヨシヒロ。

「あ、ああ、あああーー!!」何も手を触れていないのに、競パンをはみ出た肉柱から
白いエネルギーを放出する
ヨシヒロ。そして、ヨシヒロの中で爆発させるシュンスケ。

どの位の時が経ったのだろう。
気が付くと、ヨシヒロはプールサイドに横たわっていた。
ゆっくりと起き上がり、あたりを見回す。
無論、シュンスケはいない。
水は相変わらず、静かな波を漂わせている。