「でゃーーーー!!」

無数の槍を全身に受けながら、メデューサに向かって突進する虎仮面。

突然の反撃に、メデューサはただ狼狽えるばかりだ。

虎仮面はメデューサの身体に食らいつくと、そのまま床に倒れ込んだ。

「今や、撃つんや、RYO」

「分かった、虎仮面。

 ユニシュート!!」」

ユニシュートが虎仮面を貫いてメデューサに命中する。

「虎仮面」

駆け寄るRYO。

「RYO。ようやった、ようやったぞ」

「し、死ぬなよ、虎仮面」

「アホ。虎は死して名を残すんじゃ。

 えぇか、ここから帰ったら、残りの学生生活を大事に過ごすんやぞ。

 『何かがあった学生時代』にするな。

 『何かをやった学生時代』にせぇ。

 達者で暮らすんやぞ」

「と、虎仮面」

RYOの目から涙が流れ落ちる。

「フン、男が安っぽく泣くな。

 そんな事より、RYO。

 『六甲おろし』歌とてくれ。俺の送葬歌や」

「と、虎仮面・・・。

 六甲おろしに・・颯爽と・・」

「RYO。お前・・・音痴やのう・・」

虎仮面はがっくりとうなだれた。

21世紀。

虎仮面が命を賭けて守り、メデューサが命を賭けて変えようとした

新世紀の幕が開いた。

シオンの言葉によれば、22世紀に起きる大戦争に人類を導く100年になる。

 

だが、RYOは思う。

歴史は変えられないのだろうか。

いや、変えねばならない。

虎仮面や、そしてメデューサやシオンの死も、決してムダにしてはならないのだ。

(了)