○ ジュネス企画

  春の陽光が部屋いっぱいに差し込んでいる。ソファに寝転び欠伸する永井マサル。

マサル「フワア〜、暇だなあ〜。去年の今頃は撮影で大忙しなのによ」

  そこへマネージャーの多久が入ってくる。

多久「おい、マサルくん。仕事が入ったよ」

マサル「エッ!本当っすか?!(飛び起きる)TVドラマ?それともVシネ?」

多久「いいや。ヒーローショーだよ」

マサル「(途端に不機嫌になる)な〜んだ、またショーか。多久さん、もっと違う仕事

  貰ってきて下さいよ!」

多久「コラコラ、贅沢言うんじゃないよ」

  持っていた書類袋でマサルの頭を叩く。

マサル「イテッ!!」

多久「今、仕事があるだけでも幸せなんだ。全く大体・・・」

マサル「(遮るように)はいはい、解りました。で、場所は何処なの?」

多久「解ればいいの。え〜っと場所は(依頼書を見る)悦楽園遊園地だ」

マサル「悦楽園?聞いた事ないなあ?最近オープンした所なの?」

多久「ああ。依頼主はJ‐HEROプロジェクトといって、新たなヒーローを創造する

  企業で、最近急激に伸びている企業なんだ。何でも今度はヒーローショーに進出

  するらしい。遊園地もそこが経営しているんだ」

マサル「フ〜〜ン」

多久「で、他の所とは違う斬新なショーを作りたいという事で、その第一弾として

  君が選ばれたんだ。どうだい、名誉な事じゃないか」

  マサル、斬新なショーと選ばれたという言葉に顔がほころぶ。

多久「日程は今度の日曜日。場所とかはこの書類を見ればいいよ(依頼書を渡す)

  相手さんも凄く期待をしているからね。よろしく頼むよ!」

  ポンとマサルの肩を叩くと部屋を出て行く多久。

  不機嫌だったマサルの顔は、今はやる気満々の表情である。

 

○ 悦楽園遊園地

  場所は電車で1時間30分の小高い丘の上にある。

  何処にでもあるジェットコースター、観覧車、メリーゴーランド。流行の絶叫

  マシーンなどない。

  到着したマサルも失望顔。

マサル「急成長の企業の割には面白みの無い遊園地だな」

  野外劇場の方へ足を進める。

 

○ 野外劇場・正面

  到着するや否や劇場の外観に驚くマサル。

  古代ローマのコロッセオを模したような外観。周りには英雄の彫像が置かれている。

  あきらかに見栄えのしないマシーンとは不釣合いである。

  呆然と見ているマサルに一人の男が近付く。

男「あの、タイムレッド・浅見竜也こと永井マサルさんですか?」

マサル「あっはいそうですが、貴方は?」

男「これは失礼しました。私、J-HEROプロジェクト・ショー部門担当のヨシキと

 いいます。よろしく。ようこそ悦楽園遊園地にお越しくださいました。いまから楽屋の

 方へご案内しますのでどうぞ」

  二人並んで楽屋の方へ歩く。

 

○ 楽屋

ヨシキ「じゃあこれから打ち合わせをしましょう。で、隣にいるのはこのショーの演出の

  ニナガワさんです」

  挨拶するニナガワ。神経質そうである。

ヨシキ「私どもJ-HEROプロジェクトは、よりカッコよくリアルで衝撃的なショーを

  目指しておりまして。その第一弾として永井くんを選びました。・・・じゃあ演出の

  方はニナガワさん、よろしく」

ニナガワ「え〜このショーの台本というのはとくにありません。まぁ君は敵の親ボスや

  ゼニットの動きや台詞に合わせてカッコいい台詞を言えばいいだけで・・・まぁ

  アドリブだね。(挑発的にジロッと睨む)出来るでしょ?1年もヒーローを演じた

  からね」

  軽く、薄笑いを浮かべるニナガワ。

  ムッとなり、ニナガワに睨み返すマサル。

マサル「出来ます」

  目と目がぶつかり火花が散る。

ニナガワ「フフッいい顔だね。結構結構。変身とかのタイミングは僕の方で指示するから」

ヨシキ「それにうちのアクションチームは腕が良いから心配する事ないよ。因みに

  このショーのタイトルは“竜也、絶体絶命!公開処刑せよ!!・・・面白そうでしょ

  じゃこれから少し休憩をとってアクションの段取りをしましょう。それじゃ、

よろしく頼みますよ」

  ヨシキ、ニナガワ部屋を出る。

  マサル、憤然と立ち上がりテーブルを激しく蹴る。

マサル「なんだよ、あの演出家は!!“出来るでしょ”って、ああやってやるよ!

  俺も1年ヒーローをやってきたんだ。俺のカッコいいヒーローぶりを見せて

  やろうじゃないの!!」

  熱い闘志を燃やすマサル。その姿はTRの竜也同様熱い。

 

○ 舞台上

  近未来を抽象化したセット。50Mのジャンプ台やトランポリン。水の張られた池も

  作られ、後楽園のショーとよく似ている。客席は長椅子ではなく、テーブルが並べて

  おり、さながらディナーショーの趣である。

  セットの奥には2本のアーム状の鉄骨が空に伸びている。1本の鉄骨の先端には

  クレーンのようになっていて、ワイヤーで移動出来るようになっている(歌舞伎の

  宙乗りの感じと思ってください)。

  マサル、敵ボスやゼニットを演ずるスーツアクターたちとアクションの段取りを

  している。華麗なアクションを見せるアクターたち。

  真剣な表情で練習をするマサル。ヨシキとニナガワも真剣な面持ちで見ている

マサルの声「前から思っていたけど、斬新なショーといったって殆ど後楽園と同じじゃ

  ねえか。新たなヒーローを作ると言ってるけど・・・。まぁいいや、俺は俺で

  頑張ればいいし・・・」

演出助手「あと1時間で客入れをしまーす。みなさん、準備をお願いします」

ヨシキ「今日は初日だからね。しっかりカッコよく頼みますよ!じゃよろしく!」

 

○ 楽屋

  マサル、タオルで汗を拭きながら入ってくる。

マサル「ああ暑い!!」

  と、着ていたトレーニングウェアを脱ぐ。空手で鍛えた上半身が現れる。厚い胸板。

  均等に割れた腹筋、肩幅も広く逞しい。上半身に浮かぶ珠のような汗を拭う。

  そこへヨシキが入ってくる。

ヨシキ「おおーっと失礼!・・・フフ、良い身体をしているね。はい、これが衣装」

  赤のTシャツ、青のシャツ、タイムリサーチのジャンパーを衣装。

  どうもスミマセン。(衣装を見る)・・・あれ?これは変身前に着るインナースーツ

  じゃないですか。これはショーでは使わないでしょう?」

ヨシキ「何言ってるの。前にも言ったようにリアルなショーを作ると言ったでしょ。

  TVと同じように、変身する前はこの格好になって頂きます。はい(クロノチェン

  ジャーを渡す)。後30分で開演だからよろしくね・・・フフフ」

  部屋を出るヨシキ。

マサル「TVと同じと言っても、カットごとに着替えるから出来るのに、舞台じゃどう

  やるんだっちゅうのに・・・それに変身はどうするんだろう?・・・まぁいいか」

  ズボンと下着を一緒に脱ぎ捨てる。マサルの逞しい肉棒がデロンと飛び出す。

  彼が動く度に肉棒もブルンブルンと揺れ、モノの凄さを物語る。

マサル「パンツの上にこれ着て衣装じゃ蒸れるなぁ・・・ノーパンでいいか・・・」

  それが彼にとって命取りとなる・・・。

  インナースーツを装着する。彼の筋肉にピタリとフィットする。

  股間が豊かに盛り上がっている。ちょっぴり照れるマサル。

  スーツのフィット感を楽しむかのようにストレッチをするマサル。

  その度にブルンブルンと揺れる肉棒。

  ふと、ハッと後ろを見るマサル。・・・何もない・・・。

マサル「何だろう?・・・さっきから誰かに見られている気がするんだよな

  ・・・気のせいか・・・・・」

  竜也の衣装に着替える。

演出助手の声「開演10分前です!みなさん、立ち位置についてください!!」

  頬を叩き、活を入れるマサル。

マサル「よっしゃあああ!!!」

  楽屋を出るマサル。

 

○ 舞台・客席

  客席一杯の客である。

  しかしほかのショーとは違い殆どが男性である。子供もいない。

  18,9歳から中年層と様々で、客の殆どがラフな私服だが中にはタキシード姿の

  客もいる。ヒーローショーのよくあるコスプレ客はいない。

  テーブルの周りをボーイ達がワインを運び、まるでディナーショーのようである。

  談笑する客たちの声音は静かだがその口吻中に激しい興奮が混じっている。

 

○ 舞台袖

マサル「なんだよこれ・・・?普通子供たちで一杯なのに・・・それに女性たちがいない

  ・・・まぁそれはそれでいいが・・・」

  そこへジーンズにカラフルなシャツを着たヨシキがくる。

マサル「ヨシキさん、その格好は?」

ヨシキ「ああ司会は僕がやるんだ。(訝しげにマサルを見る)それにしてもどうした

  んだい?変な顔をして・・・」

マサル「ええ、客層がおかしいとは思いませんか?男性ばかりだし・・・」

ヨシキ「別におかしくないよ。言い忘れたけどこのショーは男性メインのショーなんだ。

  それにお客様たちは君の勇姿を見に来たんだよ」

  “勇姿”の言葉に淫が含んでいるのにマサルは気づかない。

マサル「はぁ・・まぁそうですが・・・」

ヨシキ「それと舞台に出て一番奥に演出席があってそこからニナガワさんが君に指示を

  出すからそれに従ってね。僕も盛り上げるから・・・頑張ってね!」

  ポン!と肩を叩く。

ヨシキ「本当に良い身体をしてるね・・・」

  BGMがファンファーレの音楽に変わる。

ヨシキ「おっともう時間だ。それじゃよろしく頼むよ!」

  そう言うと颯爽と舞台へ出るヨシキ。

  袖から舞台奥を見る、マサル。そこにはニナガワがフリップを持ってスタンバって

  いる。変に思いつつ出番が近付くと緊張が走る。

  目を閉じ、精神統一をするマサル・・・出番がいよいよ迫る。

  マサルにとって長くそして淫靡なショーが始まる。

 

○ タイムレンジャー・浅見竜也ショー「竜也、絶体絶命!!公開処刑せよ!」

  OP。司会のヨシキが出る。

ヨシキ「はーーーい!皆さんお待たせしました!ただ今より“浅見竜也ショー「竜也、

  絶体絶命!!公開処刑せよ!」が始まります。司会は僕、ヨシキといいます。

  ヨシキりんと呼んでね!じゃ・・・」

声「さっきからギャ−ギャ−うるさいんだよ!たった今この遊園地はロンダースが

  占領した。いでよ!ゼニット!!」

  “ゼニーーーーッ!!”と声を上げながら、至る所からゼニットが現れる。

  ギャーーと悲鳴を上げながら袖に引っ込むヨシキ。

親ボス「(ゆっくりと現れる)大金を奪うためにこの21世紀にやってきたが、いつも

  ことごとく浅見竜也に邪魔ばかりされている。だが今、その復讐を果たすときが来た。

  だが、その前にこの会場のやつらを血祭りに上げよう。やれえ!ゼニット!!」

  客席に向かってゼニットが襲い掛かろうとした瞬間!!

竜也の声「待て!お前たちの好きなようにはさせないぜ!この遊園地は俺が守る!!」

  舞台全面の扉が開き、竜也が現れる。客席から完成が湧く。

親ボス「出やがったな、竜也!お前をこの遊園地から一歩も出さん!かかれええ!!

  ゼニットオオオオ!!!!!」

竜也「(ファイティングポーズをとり)来い!!!!!」

  竜也のキック、パンチ、回し蹴りが華麗に決まる。倒れるゼニット。

  キックを蹴る長い脚。敵を見据えるときの鋭い目。躍動する筋肉

  舞台を縦横無尽にに暴れまくる。

  ゼニットが銃を発射する。竜也の周りに火花が上がる。

竜也「ウワッ!!!」

  その時、演出のニナガワから指示が出る。

          “インナースーツになれ”

  舞台中段に上がると服をパッと取るとシルバーと赤のインナースーツが現れる。

  竜也の筋肉にぴったりとフィットしたスーツ。大胸筋、腹筋のラインもくっきりと

  見える。それにもまして目立つ股間のもっこり。

  客席からより大きな歓声が上がる。アクションの時よりも・・・・・。

マサル(エッ!マジ?本当に変わった!?・・・そうか、歌舞伎の早変わりみたいに

  服がわかれているんだ・・・なんだ・・・)

竜也「(ポーズをとり)クロノ・・・」

  しかし・・・・・。

  インナースーツに変わった途端、目の色が変わり竜也に飛び掛るゼニットたち。

  その動きは人間業ではない。ひるむ竜也にゼニットのパンチが飛ぶ!!

  竜也の鳩尾に決まる!!!

竜也「グオオオオオオッ!!!」

  またパンチが竜也の頬に炸裂!!吹っ飛ぶ竜也!

竜也「グウウウ・・・・・」

マサル(痛エ・・・マジに殴るな!振りだけだろう?)

竜也「クソーー!!ナメンな!!」

  渾身のパンチが飛ぶ!!しかし、その拳をいとも簡単に受け止めるゼニット。

竜也「何!?」

  ゼニット、握った竜也の拳を捻り、腕を取って捻って背中に回す。激痛が走る。

竜也「ギャアアア!!ウウウウウ!!!」

  そこへもう一人のゼニットが現れ、竜也の鳩尾に何度もパンチを見舞う。

竜也「グブウウウ!!!グウウウ!!!」

  嘔吐感が襲う。そして今度は顔面にパンチが何度も炸裂する。

  口の中が切れ、血が流れ出す。

マサル(ふざけんな!!俺も本気で怒るぞ!!!)

  竜也、もう一方の手でゼニットの鳩尾にエルボーをかます!

  そしてひるんだもう一方のゼニットにパンチを見舞う!!

  舞台中段から落下、地面に叩きつけるゼニット。

  竜也、中段から地面へジャンプ!!着地すると倒れているゼニットの鳩尾にパンチ!

竜也「(血を拭い)俺に勝負を挑むなんて10年早いんだよ!!」

  続々と竜也に襲いかかるゼニットたち。竜也の空手技が華麗に決まる。

  その度にインナースーツに包まれた竜也の肉棒がブルンブルンと揺れる。

  竜也、舞台上手側を見るとそこには池に入ったゼニットがおどけたように

  “おいでおいで”とジェスチャーをしている。

竜也「ふざけた真似しやがって!!」

  池の方へ突進する竜也に水をぶっかけるゼニット。

竜也「ウワッ!!」

  全身、ずぶ濡れなる竜也。

竜也「やりやがったなあ!」

  キック!!倒れるゼニット。尚も舞台中央で“おいでおいで”とおどけるゼニット。

  駆けつけ本気のパンチ、キックで倒す。

  マサル、ふと客席を見ると、客たちの目が異様に自分の股間に注がれているのに

  気づき、股間を見る・・・すると・・・。

マサル(ア〜!!なんだよこれ!!??)

  インナースーツのシルバーの部分が透明に透け、彼の肉棒、秘毛、乳首そして

  筋肉が透けて殆ど全裸状態である。赤の部分が刺青のようで艶かしい。

  透明になった布地が筋肉の溝にピタリと張り付きテカテカと輝く竜也の大胸筋、

  腹筋が美しい。

  突然の変貌に怯む竜也、ゼニットのキックを食らってしまう。

  竜也、応戦するが恥ずかしさで動きが鈍る。あざ笑うかのようにおどけるゼニット。

  客たちの熱い視線が竜也の身体を舐めまわすように見つめる。

  その熱視線を痛い程感じる竜也。身体の中が熱く火照ってきて、何故か彼の肉棒が

  ムクムクと大きく勃起し始める。

  動きが止まった竜也、とうとうゼニットに羽交い締めにされる。

竜也「ウッ・・やっやめろ!!」

  そこへニヤニヤしながら親ボスが現れる。

親ボス「フフフ、観念するんだな竜也!」

  竜也の肉棒を握り締める親ボス。ムギュ!!

竜也「ウワアアッ!!アアアアア!!!!」

  益々巨大化する肉棒。濡れた布地が肉棒の亀頭のくびれ・竿、浮き出た血管に

  張り付き艶かしく輝く。

親ボス「お前のムスコ、こんなに大きくしやがって・・このスケベヒーロー!!」

  竜也の肉棒をムンズと握り、左右にブルブルと振り回す。亀頭から白いヒーロー汁

  が流れ出る。肉棒の大きさも30cmくらいだろうか・・・。

  口から熱い吐息が流れる竜也。

親ボス「お前の恥ずかしい姿を客どもに見せ付けてやる!!」

  捕まった竜也を客席の方へ移動させる。

竜也「うっ、やめろおおおお!!!!!」

  竜也、逃れようと手足をばたつかせるがびくとも動かないゼニット。

  とうとう客席の目の前まで連れて行かれる。客の熱視線が竜也の股間に突き刺さる。

  竜也の意思と反比例して熱視線に反応してヒクヒクと動く肉棒。

  両手で握っても余るぐらいの大きさである。恥ずかしさに目を瞑る竜也。

  歓声を上げる客たち。中には竜也の肉棒を触ろうと身を乗り出し、スタッフに

  制止される客もいる。

親ボス「おっと後ろのお客どもにも見せないといけないな・・・」

  客席通路に移動する。

竜也「やっやめるんだ!!」

親ボス「そんな事言いながらてめえのムスコ、ビンビンにしやがって・・フフフ」

  肉棒を揉み扱かれながら客席中を移動させられる竜也。

  目を爛々と輝かせながら股間を食い入るように見つめる客たち。

  ドサクサに紛れて肉棒を触る客もいる。

竜也「ウウ・・やめアアッ!!・・・ウウッ・・ンワ!!」

マサル(何なんだ・・このショーは!?・・ウウッ・・・早・・く・次の指示を)

  ニナガワを見るがただ竜也をニヤニヤ見つめるだけで何もしない。

マサル(何やってんだよ!アッウン・・・ハアハア・・・)

  竜也の声が次第に艶やかな喘ぎ声になってくる。

親ボス「大勢の人たちに見られて興奮してきたのか?ハハハハハハハ」

  肉棒を扱く手の動きが激しくなる。竜也の喘ぎ声が激しくなる。

竜也「ハァアン!!ウウウ・・・オオオオオ!!」

  その時、ゼニットのわき腹に隙を見つけそこへめがけて肘打ちをかます。

  羽交い締めから逃れ、ひるむ親ボスにパンチをかます。

親ボス「オッおのれえ!!」

  自由になった竜也、ステージの方へ走る。

マサル(こんなショーやってられるか!!)

  舞台袖に入ろうとするが、袖からゼニットがぞろぞろと現れ竜也を囲む。

マサル(邪魔すんなあ!!)

  竜也、パンチ・キックの連打!!倒れるがゾンビのように蘇るゼニットたち。

  ゼニットのひざ打ちが竜也の急所に命中する!!

竜也「グオオオオオオオ!!!!!」

  股間からこみ上げてくる淫痛にもんどりうつ竜也。

親ボス「フン!なめた真似しやがって!!」

  倒れた竜也の股間を踏みつける!!ムギュウウウ!!!

竜也「ヌウオオオオオオオオオオオ!!!!!!」

親ボス「立たせろ!!」

  ゼニット、ふらふらになった竜也を立たせると舞台中段に上げ、大の字にさせる。

  親ボス、竜也の股間を何度も蹴り上げる!!

竜也「グアアアアアアア!!!!!アウウウウウウウウ!!!!!!」

  唾が飛沫のように上がる。蹴られるたびに肉棒が激しく揺れヒーロー汁が流れる。

  淫痛で虚ろになるマサルの目にニナガワの指示が入る。

                “変身しろ”

  竜也、渾身の力で磔しているゼニットを振りほどき、親ボスに回し蹴りを見舞う。

  ステージに落ちる親ボス、ゼニット。

竜也「グウウ・・いいくぞ!!クロノチェンジャーアアアアアアアア!!!」

  すると、まるでTVと同じように赤いスーツを装着する。頭部もヘルメットを装着!!

マサル(エエエエエエッ??マジかよおお??!!)

竜也「タイムレッド!!」

  背後からバーーンと赤いナパーム弾が飛ぶ。

竜也「ボルブラスター!!!」

  スパークし、吹っ飛ぶ親ボス、ゼニットたち。

竜也「ハアアアアアアッ!!!」

  華麗にジャンプするとくるっと回転し見事に着地。

マサル(本当に変身した!?それに動きも全然違う・・・よ〜しお返しだ!)

竜也「さっきはよくもやってくれたなあ・・・覚悟しやがれ!!」

親ボス「覚悟だと、ハハハハ!!覚悟するのは貴様の方だ!!出て来い!アーノルドK」

アーノルドK「フハハハハ、アーノルドK!!・・ウオリャー!!」

  マシンガンのような右手で銃を放つ!!その衝撃で吹っ飛ぶ竜也。

  その隙に竜也を掴むとセットめがけて投げ飛ばす!!

  その威力は人間業でなく、舞台セットに叩きつけられる。壊れるセット。

竜也「グワアアアアアアア!!!!!!」

アーノルドK「まだまだ!!」

  パンチが竜也の顔面・腹部に炸裂!苦しむ竜也。

竜也「ウウウッ・・おのれえ!ダブルベクター!!ベクターエンド・ビートスリー!!」

  ダブルベクターが炸裂する!!

  だが、アーノルドKの硬い身体に阻まれバラバラに粉砕するダブルベクター。

竜也「何!!??効かない??!!」

マサル(これは只の着ぐるみじゃない・・・本物だ!!)

  慌てる竜也をよそにアーノルドKの攻撃は止まらない。キック・パンチの連打!!

竜也「ノワアッ!!・・グワアッ!!・・ウオッ!!!!!」

  倒れる竜也の上に馬乗りになって尚も顔面にパンチをする。

  メットから激しい火花が上がり、そしてマスクのゴーグルがバリン!と破壊音を

  立て壊れる。そこから恐怖に怯える竜也の切れ長な目が現れる。

  目にはうっすらと涙が滲んでいる。

親ボス「もっとやれ!アーノルドK!!マスクを壊してしまえ!!」

竜也「やめろおおおおおお!!!!!」

  壊れたゴーグルに手をかけ引き剥がす!!バリバリバリと嫌な音をたてマスクが

  剥がされた!血が流れ、痣だらけの竜也の顔が現れる。

  アーノルドK、竜也の首を掴むと高々と上に上げる。息も出来ず苦しむ竜也。

  そしてそのままセットに叩きつけられる!!

  壊れたセットに倒れこみ失神する竜也。

親ボス「アハハハ、よくやったアーノルドK!ゼニット、竜也を磔にしろ!!」

  ゼニット、等身大の十字架を持って現れ、竜也を磔にする。

親ボス「おやぁオネンネかぁ?」

  持っている鞭で竜也の身体を打つ!ビシッ!!電流が流れる!バリバリバリ!!

竜也「ギャアアアアアアアアアアアア!!!!」

  うっすらと目をあける竜也。

親ボス「お目覚めは如何かね竜也。お前に受けた数々の恨み、今晴らしてやる!」

  冷笑し親ボスを睨み返す竜也。

竜也「フン!犯罪者のくせに何言ってやがる」

親ボス「なにィ!!まだオイタが足りないようだな」

  ビシッ!!電流ムチを打つ音が響く。悲鳴を上げる竜也。

  竜也の胸、背中、股間、尻に何度もムチを振り下ろす親ボス。

  ムチに淫痛に耐える竜也。だが自分の意思と関係なく巨大化する肉棒。

  流れ出るヒーロー汁が赤いスーツから染み出しジワジワ広がる。

親ボス「おいおい、こいつおもらししてやがる。折角のヒーローが台無しだぜ」

竜也「うるせえ!!」

  バリリリン!!また電流ムチが鳴る!!

竜也「グワアアアアアアア!!!!!ウオオオオオオオオオ!!!!!!!!」

  竜也の悲鳴が劇場全体に広がる。客たちの目がより一層に輝く。

  その目は“もっと痛めつけろ”と言いたげである。

親ボス「スーツの上からムチを打っても面白くない・・・そうだ、今まで俺たちを

  苦しめたこのスーツを引き剥がしてやろう!」

  そう言うとナイフを取り出す親ボス。キラリと光るナイフ。

竜也「何をする!?やめろおおおお!!!!!」

  ナイフをスーツの喉元に突き立て真一文字に裂く!バリバリバリ!と火花を

  上げながら裂かれるスーツ。竜也の逞しい胸元が現れる。

  今度はスーツの腋の所にナイフを立て腰まで一気に裂く!!バリバリバリ!!

  次に腰の周りを裂く!ビリビリビリ!!!

竜也「ウワアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!」

親ボス「ムハハハハハ!!もっと叫べ!泣け!!」

  裂けたスーツを掴むと紙を引き千切るみたいに乱暴に剥ぐ!!ビリビリビリ!!

  竜也の鍛えた上半身が露になる。ナイフで傷ついたのか至る所が血で滲んでいる。

  豊かに膨らんだ竜也の肉棒をナイフでツンツンと突っつく。

親ボス「ここは一番最後・・・」

  次は太股から足首にかけて裂く!!ビリバリビリバリ!!

  そして股間から腰にかけてカーブをかけながら、尻を包む感じで裂く。

  そして乱暴に剥ぐ!!紙のように簡単に剥がれるスーツ。

親ボス「これでタイムスーツの競パンの出来あがりだ!!どうだ!!??」

  客席から盛大の拍手が上がる。

  テカテカと輝く競パン。黒々と秘毛もはみ出していやらしい。

親ボス「なぁお客たち!!この哀れな竜也の姿をもっと見たいだろう!!??」

  今まで黙っていたお客たち、堰を切ったように・・・・・。

客たち「もっと見せろ!!」「竜也!もっと喚け!!」「泣け!苦しめ!!」

  そんな客たちの声を呆然と聞く竜也。

  拍手、歓声、囃し立てる口笛などが劇場に響く。

  親ボス、満足そうに頷くと右手をサッと上げる。すると上のアームからスルスルと

  ワイヤーが下りてくる。そしてワイヤーを十字架に結ぶゼニットたち。

親ボス「よーし、引き上げろ!!」

  ゆっくり上がって行く十字架。10mほど上がると今度はゆっくり客席の方へ進む。

  恥ずかしさに目を瞑る竜也。

親ボス「何黙っているんだよ!!何か言え!!」

  電流ムチがスルスルと伸び竜也の身体を打つ!!電流が走る!!

竜也「ウギャアアアアアア!!!!!ヲヲヲヲヲヲヲヲ!!!!!」

  何度もムチを打つ!その度に悲鳴を上げる竜也。

  ムチの淫痛と客の熱視線に答えるようにヒクヒクと動く竜也に肉棒。

マサル(アアアッ!!ウウウン!!!ハアアアアアア!!!!!!)

竜也「アアアッ!!ウウウン!!!ハアアアアアア!!!!!!!」

  客席上を縦横に移動する十字架。客たちの目の前で竜也の淫乱姿を見られる状態だ。

  客たちのボルテージが最高潮だ。

マサル(ハアハア・・俺・・どうに・か・・ウウン・・・アアツ!!)

  腰を淫乱によじる竜也。その姿はもうタイムレッドではなく只の雄に成り果てている

親ボス「さあ最後だあああ!!!」

  電流ムチがヒーロースーツ競パンの腰部に炸裂!!

竜也「アアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!」

  競パンにひびが入りそして竜也の肉棒の圧力でブチッと千切れる。

  まるで花びらのようにハラリと舞い落ちる競パン。悲鳴のような歓声が上がる!!

  客席に落ちたヒーロースーツ競パンを我先に奪おうと群がる客たち。

  全裸になった竜也。晴れた空に向かってそそり立つ肉棒。30cmはあろうか。

親ボス「ウワッハハハハハハ!!良い眺めだぜ!!」

  客席上を移動する十字架。今度は全裸の竜也を客たちの前に曝け出しているのだ。

親ボス「さて、そろそろとどめだ!」

  親ボスが手を上げると、十字架がステージへと戻る。

  そして手を下ろすと磔が外れ、舞台裏に落下する竜也。

竜也「ウワアアアアア!!」

親ボス「どうも、竜也処刑ショーに着て頂いてありがとうよ。・・・最期は派手に

  いかないといけないな・・・ディヤ!!」

  セリが上がり、ロケットを背負って縛られている竜也登場。ロケットはもう一本の

  アームにつながれている。もちろん全裸。

親ボス「最期ぐらい気持ちよくイカせてやるよ」

  懐からドーナツ状のリングを取り出す。そしてこれを竜也の肉棒の根元に装着。

  スイッチを入れるとリングが上下に動き、肉棒を扱く。

竜也「ハアアッ・・ア・・・ン・・ウウン・・・アアアアアアアアア!!!!」

  快感に腰をヨガリ、目がトロンとなり口から涎が流れる。

  リングの動きが激しくなり、それに合わせて腰の動きも激しくなる。

  ヨガリ声が激しくなりまるで野獣の雄たけびを上げ、もうスーパーヒーローでは

  なく、只の淫獣のよう。赤黒く膨らみ発射寸前の肉棒。

竜也「アアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!」

  その時!!!!!!

親ボス「とどめだああ!!ファイアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!」

  火を噴き発射するロケット!!美しい弧を描き飛ぶ竜也ロケット!!

  圧力がより良いオルガズムを生み、激しい快感になる。そしてロケットが最高値の

  高さに達した時!!

竜也「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!」

  野獣の雄叫びを上げ肉棒から物凄い勢いで白いミサイルを発射する!!!

  陽光が白いミサイルに当たってキラキラ輝き、客席中を降り注ぐ。

  ヒーローシャワーだ!!

  ヒーローシャワーを浴び、恍惚となる客たち。

  淫液を流しながら泣いている竜也。アーム最上段でロケットにつながれたままだ。

親ボス「ハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!!!」

  高笑いを上げると袖に入る。そして司会のヨシキが出る。

ヨシキ「やったあああ!!かっこよかったねえ!みなさん、どうでした!?」

  拍手、歓声。中にはスタンディングオーベーションをする客もいる。

ヨシキ「これからも竜也の勇姿を見に来て下さいね。じゃさよなら・・っていうのは

  もう皆さんとお別れするみたいでいやだから・・・せーえのまったねえ!!」

 

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  会場全体が興奮の余韻が覚めやらぬ雰囲気に包まれている。

スタッフ「ただ今より浅見竜也の嬲り会を行います。参加したい人はこちらの列に

  お並びください。参加料はお一人500円です」

  ずらりと並ぶ参加者たち。そこへヨシキがくる。

ヨシキ「はいみなさん、どうもありがとうございます。お待たせしてごめんね。

  ただ今より竜也嬲り会を行います。その前に約束して頂きたいことがあります。

  お一人のいたぶり時間は30秒とさせていただきます。こんなに大勢の人がいます

  からね。これは充分に守ってくださいね・・・。では、これから始めたいと思います。

  まず、ヒーロー・竜也の登場です!!」

  竜也、さっきの十字架に張付けられて登場。全裸である。

 

1「よかったよ竜也君・・・これからも頑張ってね」

  熱いディープキス。

2「(無言)」

  乳首をギュッと摘んで竜也の身体を舐めまわす。

竜也「アッ、ハアハア!!」

3「いいモノ持ってるね」

  竜也の肉棒を扱く

竜也「ヌワアアアッ!!!ウウウン!!!」

スタッフ「はい30秒ですよ・・・次の方・・・」

  多くの客から肉棒を責められて何度も発射する。

  中には自分でムチを持参して竜也に打ちつけるつわものもいる。

竜也「ウワアアア!!!グウウウウウウウウウウ!!!!!」

  そんな1000人ぐらいに客たちの責めが続き、最後には失神する竜也。

 

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  2つのブース

スタッフ2「はいこちらでは今回のショーを収録した“ライブビデオ”の予約を受け

  付けています。特典映像として“竜也の生着替え”が収録していま〜す!!」

  予約する客でごった返すブース。

 

スタッフ3「こちらでは竜也の生写真を発売していま〜す。1枚100円!竜也の苦しむ顔

  よがる顔、色々ありますよ!!」

  こちらも客で一杯。用意していた写真がアッという間に売り切れる。

 

○ 楽屋

  ソファに寝かされているマサル。目を覚ます。

マサル「ウウン・・うっイテエ・・・チクショー!!こんなショー二度と・・・」

  そこへヨシキとニナガワが入る。二人とも満面の笑みである。

ヨシキ「いやあああマサルくん、最高だったよ!!お客様も大満足して帰っていったよ。

  大成功だ!!!」

ニナガワ「君の苦しむ顔、よかったよ。僕が見込んだだけある・・・」

ヨシキ「あまりにも凄いから2回追加公演にするから・・・それに今日だけでなく

  今月の日曜、祭日も君で行くよ・・・ああ事務所には快諾を得ているから大丈夫さ

  (マサルの顔を見て)あれ、どうしたの?疲れた顔して・・・そうだよね、あれだけ

  激しく動いたからね・・じゃこれ飲みな。うちの系列会社が作っている“ヒロビタン

  J”元気出るよ。じゃ、あと30分で開演だからいそいでね。じゃよろしく」

  ヨシキ、早口でまくし立てるとニナガワを伴い楽屋を出る。

  竜也、ノロノロとした手つきで瓶を開けて“ヒロビタンJ”を飲む。

  するとどうだろう。傷や疲れが忽ちに取れ元通りの身体になる。

  だが、大きくため息を吐くマサル。何もいい返せなかった。多分、事務所にも文句を

  言えないだろう。文句を言えるほどメジャーではない・・・。

  ふとショーの事を思い出す。

マサル「ウッウウウ!!!」

  股間を触ると大きく膨らむマサルの肉棒。

  マサル、フッと笑うとインナースーツを手に取る。

演出助手の声「開演20分前です!!」