第 2 話
ウルトラマンエースが地球を守っていた昔、
1度だけウルトラ5兄弟が全滅したことがあった。
その悪夢がここ、月面で再現されてしまっているのだ。
そして、ヒッポリトは悪夢の続きを見始めようとしていた・・・。
パトロールをしていたタロウの元にゾフィーのウルトラサインが飛ばされた。
「エースがやられた。すぐに来てくれ!場所は・・・」
家族同然で育ったエースの一大事、それにゾフィーが助けを求めるのは
一大事であると判断し、可能な限りの速度で月面の指定座標へと向かった。
タロウ「に、兄さん・・・・」
肩で息をしながらたどり着いた先でタロウが見たのは哀れにも
ブロンズにされ敗北を曝し続ける兄弟達の姿だった。
タロウ「・・・?!・・ま、待っててくれ・・・
今、助けるから!」
父から教えられたウルトラシャワーの構えをした瞬間、
幻影の様に現れたカプセルに閉じ込められてしまった。
タロウ「?!・・し、しまった・・・(ドンドン)・・な、なんなんだ・・これ」
ヒッポリト「ははははははは・・愉快だ・・
こうも簡単にお前達が捕まると哀れみ通り越して笑えて繰るよ」
タロウ「その声はヒッポリトか!卑怯だぞ!」
ヒッポリト「卑怯?卑怯だろうと何だろうと構わないよ。
君達が破滅するのには変わりないのだから」
タロウ「ここを抜け出したらお前なんて」
ヒッポリト「抜け出したら?
あまり出来ないことを口にするものじゃないぞ、タロウ」
タロウ「・・・くっ・・・私はまだ負けてはいない!」
ヒッポリトは鼻で笑いながら触手を1本だけ輝かせカプセルを作動させた。
4人とは違い、カプセルの内面全部から紫色の光が放たれタロウを怪しく照らしていく。
プーポープーポー・・・プーポー・・・・・プーポー・・・・・・・・・・・
突如、点滅を始めたカラータイマー、
しかも加速度的に点滅が遅くなり今にも消えてしまいそうだった。
タロウ「こ、これは・・一体・・・・どういう・・・・・・・」
事態の把握を終える前にエネルギーを全て吸い上げられタイマーも瞳も光を失い、
カプセルの壁にもたれたまま動かなくなってしまった。
5体のブロンズ像、タロウの閉じ込められたカプセルを陽炎の様に消すと
自らも霞の様に消えてしまうヒッポリト星人。