北島康助・竹内寿史(2)

 

予選を最高のタイムで通過したキタジマコウスケは精悍そのものだった。

ここ数年で精神も肉体もとてつもない成長を見せ、

それは言葉で表さなくても雰囲気だけで十分分かる。

 

「最高のタイムが出ましたね!」

「あ、ありがとうございます。」

「? 少し疲れてるようですが大丈夫ですか?」

確かに、コウスケはなぜか激しく息をし、目がおぼつかない。

「い、いえ、大丈夫です。」

 

いつものように受け答えを終え、ロッカールームへ向かう。その足取りは

少しふらついていた。

 

ロッカールームに戻り、ドアを閉めた瞬間、彼の表情は突然変わった。

「ううっ・・」

うめくような悲鳴を上げた直後、コウスケはその場にうずくまった。

そして、全身を蛇のようにくねらせ始める。「うん、あはぁ、ああうん」

そのうめきはやがて喘ぎ、悶えに変わり始めた。

 

必死になりながら震える手で「JAPAN」のトレーニングウェア上下を脱ぎ捨てる。

プールの中で輝いて見えた水着姿になる。

頭にはキャップとゴーグルをつけたまま、そして水着はalenaの最新型水着

「SPIRARE」。セパレート型の水着は、女性のワンピース水着のように

身体を殆ど包んでしまうタイプのものだった。

 

しかし、その水着はまるで熱を加えたかのように変形し、胸板の先端の乳首を

こねくり回したり、股間を人間の手、いや、それ以上の刺激で扱き始めたり、

さらには尻の部分は食い込みをつくり、彼の秘孔に生地がズブズブと入っていく。

 

なんと彼は予選中、水着に犯されていたのだ。

 

そう、そのスーツは以前、ハヤシアキラに渡され、後輩のタケウチトシフミと

共に淫虐の底に鎮められた、スーツだった。

ただあの時と違うのは、スーツの中で勃っても、何ら表に変化を見せないこと、

そして、尻の秘孔の部分は食い込みを作るかのように歪み、生地が尻孔の中に

ズブズブと入っていく。

まさに「男を犯す水着」に進化していた。

 

「ふぅ、あああ、あぐぅあああ!!」

ロッカー中に響くコウスケの淫の叫び。身体を捩じらせ、口から涎をたらし、空ろな

表情で苦しみ、もがく。

 

彼は何でこんな事に・・・

 

2日前。

自分の携帯に届いた画像つきのメールにコウスケは打ちのめされた。

そこには手足を縛られた後輩のトシフミの姿があった。

"命を助けたければ、ロッカーの中の水着で世界水泳に出場しろ。"

その水着が"男を犯す水着"だった。

 

水着についた水着がだんだん乾いてくる。

ようやく自分の身体がコントロールできるようになったコウスケは

なんとか立ち上がり、水着を脱ごうとする。

 

しかし、人の気配を感じ、空ろな表情で正面を見た。

「すげぇ、あんなに刺激与えたのに。」

「ト・・・トシフミ!?」