メガロマンの処刑

 

 夕闇迫る逢魔が時・・・・・・

メガロマンは荒野でダガ−総統の手先であるザターンと対峙した。

今日こそはザターンを蹴散らし親玉のダガ−を引きずり出し

この星への侵攻を止めさしてやる・・・この技でなーーーーーー

俺は目の前の敵の存在を軽視しそんな事を考えていた。

序盤は肉弾戦で日ごろ拳法の特訓で鍛えた俺に一実の長が有る様に思ったが

いやいや・・・ザターンの攻撃も侮れない。

今までの黒星軍団の怪獣共と違い俺の攻撃パターンを読んで先んじて打撃技や

蹴り技を俺に叩きこんでくる。

その正拳突きが立て続けに俺の自慢の腹筋に突き刺さる・・・・・・

ドス・・・ドス・・・ドガッ・・「うぅぅぅぅぅ・・・ はァ・・・あぁぁ」

思わず喘ぎ声が口を突いてでてしまう。

 

 やつの正拳が決まった俺の6ッに割れた腹筋は無残な醜い痣が残った・・・

「ちくしょーよくもやりやがったなぁ〜〜それならこれだぁー!」と叫ぶと

右足を自分の高さより上に挙げクルット1回転しザターンの側頭部に蹴りを入れる。

蹴りが決まりザターンの首の骨が「ボキ」と折れて奴が霧の様に消えて行く・・

俺の頭の中でのシュミレーションは完璧だ。

しかし、現実は違った・・・・・

奴は蹴りが決まる瞬間テレポーテーションをしたかのように俺の視界から姿を消した。

その時だ!高く振り上げた右足首を奴が確りと掴み俺がバランスを崩しそうに

なったとき、ザターンは一瞬「二ャ」と不気味な笑顔を浮かべると何の躊躇いも無く

無防備でガラ空きの俺の金的に奴の左足の甲がストレートに打ち込まれた。

「はがあぁぁぁぁぁ・・・・・金・・・・・金的・・・・!」と呻声を上げながら

背中から大地に倒れ、金的を両手でガードしながら右へ左へゴロゴロと大きく

体を転がしながら、内臓から突き上げてくるような男にしか解からない激痛に

耐えていた。

 

 奴は大地に倒れ金的を押さえて「く」の字になって転げまわる俺を見下ろしながら

俺の金的を蹴り上げた足を自慢そうに「クイ、クイ」と上下して見せた・・

「クソーやってくれたなぁー男の最大の急所攻めを〜〜〜〜〜〜!」と奴を下から見上げ

睨みつけた。

ザターンは笑いながら「メガロマン!お前とはここの出来が違うんだぜ!ここの」

と自分の頭を指しながら高らかに笑い飛ばす。

そして、大地を転げまわる俺を踏み潰すが如くドスン・ドスンと何度も何度も踏みつけた。

全体重をかけての踏み付けでは、いくら拳法で鍛えてる俺の体でも堪らない・・

「ぐうぅぅぅ・・・・く・・・くそ・・・こ、こんな・・・ことでは・・・・」

と強がっては見せたが、実際、腹筋や鳩尾を次々と全体重をかけて踏まれていては

ダメージの方が勝っている・・・・・・・

 

ザターンがいい気になって「メガロマンそろそろ止めにしてやるぜ!。

せいぜい苦しみもがきながらクタバレ!!!」と言いながら尚も踏みつけよう

身構えた時だ!

俺は死力を振り絞り、片足立ちになった奴の左膝の皿に素早くキックを決めた!

 

 今度は、ザターンが凄まじい悲鳴を上げ背中から大地に倒れこんだ。

この期を逃しては勝機はない!!

俺は、倒れたザターンに素早く馬乗りになると奴の顔面目掛けて流星の如く

掌打を打ちこむ!

思っていたよりザターンは打撃に弱い様だ 早くもグロッキー気味だ!!

この期に一気にけりを付けようと思い、グッタリしているザターンから少し

づつ後づさりし距離を取った。そう・・・必殺のメガロンファイヤーで

止めを刺すためだ。

グロッキー気味だったザターンがフラフラしながらも俺の正面に立ち対峙する

「ザターンよ これが最後だ!」と言うとメガロンファイヤーの態勢に入った

「係ったな 愚かなメガロマンよ 死ねー!」と言うが速いか奴の額の中央に

ある第3の眼が開く!

それと同時に「ピカッ」と怪光線が光ったと思ったら俺の体が意思に反し全く

動かない!!!!

「ぐあぁぁ・・・・・ああぁぁ・・・・・・あああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・

く、くそー なんで・・・・こんな・・・・か・・体・・・が・・・・」

 

するとザターンが「どうだメガロマン。俺様の金縛り光線の威力は。ハハハ

教えてくれよ」とニヤケながら言い再度、光線を俺に浴びせる。

「ぐおぉぉぉぉぉ・・・・・・く・・・・・い・・い・意識が・・・

解れて・・・いく・・・ど・・・どうし・・たん・・だ・・俺の・・体・・?」

再び俺は背中から大地に倒れる・・・そんな俺にザターンは最後の光線を浴びせ

ながら近寄ってくる。

全身を激しく痙攣させワナワナと唇を振るわせるだけの俺の前に立つと

徐に屈み込み、「梃子摺らせてくれるねーヒーローさんよ。だがこれまでだ」と

言い終わらないうちに、鬣族の特徴であるふさふさとした長髪をグッと掴み強引に

俺を大地から引き剥がす。

 

 俺はもう呻声すら発する事も出来なかった。

ザターンに頭髪を掴まれて立たされた為、俺の首は右に無様に傾き引きずり廻された。

今奴が手を放したら・・・また大地に崩れ落ちる・・・・・

その時だザターンは「最後だー 死ねメガロマン!!」と叫ぶと同時に奴の左手が

俺の胸を貫いた・・・・・

「ぐっはあぁぁ・・・・?」

胸を貫いた奴の腕には俺の肋骨の粉砕された欠片が刺さり、その先にある左手の

手の中には今俺から引き千切ったばかりの俺の心臓が「ドックン・・ドックン」

と鼓動していたが・・・・・数秒後には奴の手でトマトの如く握りつぶされた。

朝焼けの中に全身醜い痣と鮮血塗れの俺の肢体がそこに残されたのみで

俺の心臓を握りつぶしたザターンは高笑いを残し霧のように姿を消した。