競パン戦隊・アクアレンジャー

激闘アクアレッド 

 

アクアレンジャーのレッドが現場に到着した時、グリーンはすでに息絶えていた

グリーンの亡骸は、90年代の不況に耐えられなかったテーマパークの廃墟に横たわっていた

 

「グリーン!」

 

レッドはグリーンを抱きかかえた

その体は、生きていた頃と寸分たがわず美しかった

敵との戦闘があったはずなのに、擦り傷ひとつ体にはついていなかった

弛緩したグリーンの首が、ぐにゃりと傾いた

口の端から、つーっと一筋の血が流れ出す

グリーンは舌を噛み切って、自ら命を絶ったのである

 

「どうしてこんなことに…」

 

動揺しながらも、レッドは原因究明に取り掛かった

アクア・アイを起動させ、グリーンの身体をスキャンする

すると、アクアレンジャーの鎧とも言える競パンに致命的なダメージが見つかった

戦闘モードが強制解除され、競パン内に充填されているはずのエネルギーが0になっていた

エネルギーの枯渇は、アクアレンジャーの「死」を意味する

 

だが、アクアレンジャーの競パンは、現代科学の粋を集めて作られたものだ

そう簡単に、破壊されるはずがないし、エネルギーの枯渇も考えられない

一体何が起こったというのだろう?

 

獰猛な獣の唸り声を聞いたのは、その時だった

殺気を感じたレッドは、真上に跳躍した

すると、鱗に覆われた生き物が、レッドのいた場所に突進してきた

「それ」はトリケラトプスに似ていた

四足の爬虫類で、三本の巨大な角を持っている

唯一トリケラトプスと異なる点は、鼻先きから生えている角が、地

面と平行に真っすぐ伸びている所だ

その角だけは、他の角と比べ、不自然に長いうえに、縞の模様までついていた

 

「おのれ、お前がグリーンを…」

 

着地したレッドは、怒りのあまり声が震えていた

通常モードだった競パンが、戦闘モードに切り替わり、心なしか引き締まった

トリケラトプスに似た生物が、グリーンを殺したのは明らかだった

 

レッドはセイバー・アイでスキャンを開始さた

すると、その生物の脇腹には、ダークネスメーソンの焼印が押されていた

この生物はダークネスメーソンによって作られたクローンなのである

 

「来い!化け物!」

 

レッドの挑発に乗るかのように、トリケラトプスに似た生物は突進をしてきた

レッドは正面から生物を受け止めるつもりで構えを取った

レッドはアクアレンジャーのなかでも、一番のパワーを誇っていたのである

 

ガシン!

直進するトリケラトプスをレッドは、直前で止めた

トリケラトプスの耳から延びる二本の角をつかんだのである

 

「し、しまった!」

 

しかし、レッドにとって予想外のことが起きたのである

それは、レッドはトリケラトプスの鼻先から生える異様に長い角だった

角は地面と平行に生えていたため、正面から見ると長さがわかりにくい

そのうえ、角の縞模様が目の錯覚を引き起こし、角を実際よりも短く見せていた

そのの角は、計算されていたかのように、レッドの股間の高さに設定されていた

二本の角をつかんでふんばるレッドの競パンの数センチ前に、鋭い角が迫ってる

 

「ち、ちくしょう!この手でグリーンもやられたのか…」

 

競パンはアクアレンジャーの唯一の弱点

これを突かれては、ひとたまりもない

レッドは両腕に渾身の力をこめて、トリケラトプスを押し戻そうとする

しかし、トリケラトプスの脚力は強靭で、びくともしない

それどころか、じりじりと距離をつめて、角が競パンに今にも到達しそうである

 

「くそぉぉっ!負けるかぁぁぁっ!」

 

レッドの上腕の筋肉が盛り上がり、つま先が大地にめりこんでいく

必死のレッドだが、競パンの直前にある角の先の変化を見逃さなかった

角の先が一瞬光ったと思うと、先から数センチがメカニックに変化した

先ほどまで生物特有の丸みを帯びていた角が、突如として鋭角的になったのである

アクア・アイで即座にスキャンすると、それは注射器のような構造になっていた

 

「まさか、これで俺のエネルギーを吸収するつもりなのか!」

 

驚いた拍子に、レッドの力が一瞬抜けた

その隙にトリケラトプスは前進、レッドの股間に針がわずかだけ触れた

 

「うぅっうっ…、くっっ、くそっ!」

 

一瞬我を忘れたレッドだったが、すぐに我に帰ってトリケラトプスを押し戻す

戦闘モードになっている競パンは、エネルギーが充填されている

そのため、非常に敏感になっているのだ

体中の全神経が、競パンに集まっているといっていいだろう

だから、ごくわずかな刺激でレッドは「反応」してしまうのである

針先がちょこんと触れただけで、レッドの体全体が桃色に上気していた

 

このような攻防が続きレッドのスタミナも切れかけてきた

押しつ押されつだったトリケラトプスの角も除々にレッドの股間に迫る。

そして、遂に針が競パンの生地に触れた

レッドが渾身の力で押しとどめているため、まだ刺さってはいない

しかし、針は競パンの柔らかな膨らみに、わずかなへこみをつくっていた

その刺激は、レッドの脳髄に直撃し、苦痛にも似た快感をもたらした

レッドの吐息は、疲労による息切れではなく、興奮による甘い息切れに変わっていた

 

「くそ、もうこれしかない!アルティメット・モード始動!」

 

アルティメット・モードとは、アクアレンジャーの最後の手段である

自らの生命エネルギーを、競パンに集めることによって、底知れぬパワーを引き出すだ

しかし、これは死と隣合わせの危険な賭けである

競パンがわずかに輝いたかと思うと、レッドの生命エネルギーが競パンに集中し始めた

このエネルギーを競パン内でバトルエネルギーに変換し、全身へと供給されるのである

 

しかし、予想外のことが起こった

競パンに集まった生命エネルギーのために、レッドの股間が膨張し始めたのである

生命エネルギーの変換の際に、僅かな勃起が起こることをレッドは失念していた

今までの戦闘では、わずかな勃起なので気にするまでもなかった

しかし、今回は違う

敵の毒牙が、競パンのすぐそばに迫っていた

すこしの競パンの膨張が、命取りになるのである

 

「うぁっ、くそっ、止まってくれ」

 

しかし、一度オンになったアルティメット・モードは解除不能である

レッドの競パンは、勃起したペニスに押し上げられ、徐々にだが確実に膨張していく

その度に針は競パンへとめり込んでいき、さらなる刺激をレッドにもたらす

 

「あっ、ちくしょう…、早くバトルエネルギーを供給してくれ…」

 

針は深々とレッドの競パンにめりこんでいった

柔軟性と耐久性に優れた競パンが、針の侵入をギリギリで防いでいた

 

「あと、もう少し…、あともう少しでエネルギーが貯まる…」

 

針で責められているにもかかわらず、レッドの競パンは生命エネル

ギーによってどんどん膨張していった

そして、ついに最後のエネルギーの充填が完了!

 

レッドがトリケラトプスをはねのけようとした瞬間!

競パンの最大の膨張率を示し、競パンの防御機能が破られた

風船に針が刺さるかのように、レッドの競パンにトリケラトプスの角が突き刺さったのである

 

「ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 

レッドの競パンから凄まじい勢いで、バトルエネルギーが吸い上げられていった

両手は角から離れ、垂れ下り、吸収による振動でぶるぶると痙攣した

レッドのエネルギーは、急激に減少

このまま0%まで吸いつくされるかと思いきや、1%の残存率で吸収は停止した

トリケラトプスが、角をレッドの競パンから引き抜いた

レッドは、がくっとその場に膝をついた

生命維持は可能なエネルギーは、残されたものの戦うことはおろか

立つ余裕もないほどエネルギーを吸いつくされた

 

「くそっ、殺すなら、殺してくれ…」

 

しかし、ダークネスメーソンはそんなつもりはないらしい

半死半生のレッドを拉致し、秘密基地で徹底的に調査するつもりなのだ

 

「だから、グリーンは舌を噛み切ったのか…」

 

そう意識の奥で考えたレッドだったが、舌を噛む余裕もなく失神してしまった