バルタン星人:「ようやく完成する・・・ようやくだ・・・・」

 暗闇で不気味に微笑むバルタン星人。

 操っているデバイスの先にはバルタン星人が必死になって集めた怪獣たちが並べられ、

実験材料として扱われていた。

 そこに並べられているのは過去にウルトラ戦士を苦戦させた強者・曲者ばかりだった。

バルタン星人:「どれも手に入れるのが大変だったのだ・・・

        しかし、それも今日で報われる・・・・」


 今までの苦労を振り返りながら緑色の蠢く液体に

テトラポットにも似た鉱石のようなものを合わせ実験装置から七色の光線を浴びせていく。

 見ている目の前で二つの怪獣は溶け合い、融合していく。

  何度も挑んでは敗北し、侵略を諦めない・・・。

 そんなバルタンの至った結果の1つ・・それは新たな怪獣を生み出すこと。

 ある者は自らを強化し、ある者は他者を利用し、

そしてこのバルタンは自らの研究した成果でウルトラ戦士へと挑もうとしていたのだ。

バルタン星人:「よし・・いいぞ・・・

        アメーザとブルトンの融合により無限の吸収力と次元の操作能力を・・・

        そしてイフがここに融合されれば・・・・・

        もう負けることはありえない!」



 興奮に息を荒くし実験を続けていく。

 アメーザとブルトンは予定通りに融合し形を1つにとどめていた。

 そこに最後のサンプル:イフを融合していく。

 慎重にイフをアメーザ・ブルトンの融合体に乗せていく・・・・・。

バルタン星人:「よし・・よし・・・もうちょっと・・・・・・」 

 イフが融合体に餌として吸収される前に融合させなければならなかった。

 徐々に融合体に包まれ始める最後のサンプル。ここがタイミングだ!とばかりに

七色の光線を照射するバルタン星人。

 融合の為の光線を照射した瞬間、実験装置内に光が満ち始め予想外の出来事がおき始めていた。

バルタン星人:「い、一体、何が・・何が起こって・・・?!・・・

        ま、まさかっ・・・ま、まず・・・・」


 爆発が起きたと錯覚するほどの光が漏れ出し、実験室を光が満たしていた。

 光が薄らいでいき実験室の中がようやく視認できるようになったが、

そこにいるはずのバルタンの姿はなかった。

 代わりに白い肉の塊のような物体が床に転がり、蠢きながら形を変え、

人型に変形し始めていた。

 無言で実験室を動き回り、バルタンの資料を見つけると実験データを確認していく。

(エヌピー融合実験)

 実験のタイトルを見つけ自分の名前が「エヌピー」であると知る。

エヌピー「ウルトラマン・・・・ウルトラマン・・・・?!・・・・」

 きょろきょろと忙しく頭らしき場所を動かしていた白いのっぺらぼうだったが、

突然、ウルトラマンの名前を2回つぶやいた後、次元の隙間に滑り込み消えてしまった。