読了:2005.6.28
レビュー:2005.6.28
■グレイヴディッガー / 高野和明 (講談社文庫)
『グレイヴディッガー』―12世紀前半から中世ヨーロッパで行われた異端審問、つまり魔女裁判では多くの無実の人々が命を落とした。
ヨーロッパ中を席捲した魔女裁判によって生命を絶たれた者は10万人を越えるという説もある。
ところが、その最中、イギリスで奇怪な事件がおきていた。
異端審問官が次々と何者かに虐殺される・・・そのことに恐れをなしたイギリスの異端審問官たちは魔女裁判を自粛、イギリスのみが被害を最小に止めたのではないかとされるが、真相はわからない・・・。
そして、その虐殺を起こした者は、異端審問により拷問を受け命を落としたものとは蘇る死者・・・『グレイヴディッガー』ではないかと人々の間では噂された・・・。
悪党としての人生を送ってきた八神は、生き方を改めるべく骨髄ドナーとなった。
いよいよ骨髄を提供するという段になり、友人島中の元を訪れた八神はとんでもない事態に巻き込まれることになる。
司法解剖を控えた他殺体の盗難、一夜のうちに起こる連続猟奇殺人事件。
不幸にも八神名義の住居で変死体を発見した八神は、突如乱入してきた謎の男たちに追われ、殺人鬼グレイヴディッガーに追われ、更にその後ろを連続殺人犯の容疑者として警察に追われるハメになる。
自分の骨髄液を待っている人がいる、自分は今、もう一人の人間の命を背負っている・・・。
必ず病院にたどり着かなければ・・・!!
初めての人助けの使命に駆られ、八神は追っ手を振り切って走り続ける。
面白いですー。
すっごい面白かったですー。ハラハラするし、展開も読めないし。
実は「13階段」読んでから、これずっと読んでみたかったんですけど、なかなか本屋で見つからず、そしたら今月文庫化したんですよ。
ようやくですよようやく。待ちに待った、待望の文庫化ですよ、まじで。
結構深いですね。「誰が悪いのか?」ということです。
公安とか政治家とかいろいろ出てくるけど、うさんくさくないし(笑 いや、ストーリーがね)。
奇妙で不気味だけど、「そおいうオチかあああ?」というのは全然ないし。
あ、もしかすると人によってはそう思う部分もないことないのかもしれないけど・・・あくまで部分的に。しかもわたしにとってはノープロでした。
「逃げている」っていう展開のせいかもしれないけど、スピード感もありますね。
いろいろ考えちゃいます、法のあり方とか、警察とか、そういうのについて。批判とかそういうんじゃなくて。
是非読んでみて欲しいです。
|
|