読了:2005.11.13
レビュー:2005.11.28

感傷の街角 / 大沢在昌  (角川文庫)  

早川法律事務所に所属する佐久間公は、専ら若者の失踪人調査を担当するプロの調査人。
彼を頼って持ち込まれた依頼は、11年前に知り合った少女を探して欲しいというものだった。
休日に入っていた彼は、その休日を調査に当てて奔走する。
期限は3日、手がかりは今はないディスコと名前、年齢のみ。
手始めに、11年前にディスコのあった場所を訪れ、当時を知る人物を探すが、その人物は公に会う前に駐車場で冷たくなっていた・・・。
表題作『感傷の街角』他、公の手がけたいくつもの事件を集めた短編集。

先に「心では重すぎる」を読んでしまったせいか、「若ッ(苦笑)」って感じですなー。
公が若いーーー。ってか・・・おっさんになったのね・・・。
どちらかと言えば『アルバイト探偵』のリュウにイメージかぶる感じだなー。あそこまで若くもないけど。
短編だからね、まあ物足りないです。
でもこの後に続く長編に備える為、やはり『佐久間公』シリーズを読むなら読まねばならない1冊でしょう。



「結局、サンタクロースなんていやしない。子供のときから皆んなそれを知ってるんだ」

読了:2006.1.19
レビュー:2006.1.22

漂泊の街角 / 大沢在昌  (角川文庫)  

これは、悪い夢だ・・・。
銃弾を受け、倒れ付しながら公は思った。
拳銃を握る相手は、まだ同じ部屋の中でゆったりと煙草を吸っている・・・。
全ての始まりは、ある男を探して欲しいと言った、ある芸能プロダクションの社長だった・・・。
『悪い夢』他5作。

前の短編集より面白かった。
『悪い夢』『ダックのルール』辺りは結構好きですね。


「別の生き方は考えられない?」
「考えるのはできる。生きるのができない」

読了:2005.10.9
レビュー:2005.10.17

心では重すぎる / 大沢在昌  (文春文庫)  

ドラックの重症患者を立ち直らせる機関「セイル・オフ」に勤める傍ら人探しの依頼を受けて仕事をする佐久間。
少々変わり者の金持ちに頼まれ、消えた人気漫画家まのままるの行方を追うことになった。
なぜまのは漫画を描かなくなったのか。そして、どこへ消えてしまったのか。
一方、「セイル・オフ」にいる少年雅宗は「ある女」のせいで薬物中毒に陥ったという。「あの女」がいれば自分は「セイル・オフ」で更正しても、また薬物中毒に陥ってしまうとひどく恐れていた。
そのことが気にかかっていた佐久間は、まのを探す一方で雅宗の人間関係を少しずつ解き明かしていくが・・・。
2つの事件の複雑に絡み合った意外な真相とは?

面白かった。ちょっと重々しい話ですけども。
最初はねー、「消えた漫画家ぁ?」ってちょっとうさんくさい目で読んでましたが(笑
渋谷の街をまるごと巻き込むような複雑に絡まりあう人間関係に事件。
最後になるまで、まのの役割がわからないあたりが・・・面白いですよぅ。