読了:2004.6以前
レビュー:2004.9.18
二重証言 / 新津きよみ (ハルキ文庫)   

会話のなくなった夫、何を考えているのかわからない息子。
自分を全く省みなくなった家族に、あきらめにも似た虚無感を抱いている咲子。
中学の同窓会に出席した帰り、同級生だった待田に誘われて2人で飲んだ。
イラストが上手く趣味で絵を描いている咲子に、現在イラストレーターになった待田は仕事場へ遊びに来ないかと誘う。
迷った末、夫が出張で息子が外泊予定の夜に待田の職場へ出かけた咲子。
だがそこで咲子を迎えたのは・・・。
身に覚えのない手紙が届き、「懐かしい同級生」の姿がどんどんと変貌していく。
嘘の深みにはまった咲子は、そこから抜け出すことが出来るのか・・・。

新津さんの得意技ですよね。
何事もなく平凡に生きている主婦が、ふとした弾みに「平凡な日常」から転げ落ちるお話。
この「二重証言」もまさにそのパターンです。
けれど、守りたいものがある時、人間ってどうしても嘘をついてしまうんですね。




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読了:2004.6以前
レビュー:2004.9.18

結婚紹介殺人事件 / 新津きよみ (ハルキ文庫)   

恋人の司郎にずっと求婚されながら、結婚に踏み切れない千亜記、「エルピーライフ」という結婚紹介所に登録をして、結婚相手を探す恵美、両親に強制的にお見合いをさせられる綾子は結婚適齢期の仲良し3人組。
司郎とホテルで会っていた千亜記は思い立って、その日5人目の紹介相手と会っていたはずの恵美に電話を入れた。
しかし不自然に留守電に切り替わって・・・。
翌日、千亜記が電話をかけた時間に、恵美は部屋で殺害されていたことを知る。
「結婚紹介所で男漁りをしていた」と報道された恵美の汚名を雪ぐべく、千亜記は事件の真相究明に乗り出した・・・。

これは読んでて、犯人はなかなかわかんないですね。
いや、わたしはなかなかわかんなかった。
無鉄砲に勘で当てるの得意なんですけどねえ(考えろよ・・・(-_-;))。
この作品は、テーマは「結婚」ですね。



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読了:2004.6以前
レビュー:2004.9.18

危険な恩人 / 新津きよみ (ハルキ文庫)   

画家になる夢を諦めて、裕福な家庭で絵画教室を開きながら主婦として子育てに追われる良子は、その日大学時代のライバルで友人の個展に娘の美希と行っていた。
自分とはあまりにも違う世界で夢を叶えた友人に、焦りを感じた良子はぼんやりとして美希の手を離してしまう。
そのわずかな時間に美希は線路へと転落してしまった。半狂乱になる良子の脇から颯爽と飛び出してきた男、伊吹渉。
伊吹は、戸惑う人々の中でただ一人、美希を救う為に線路へと飛び込んだ・・・。
美希の恩人となった、若くて美しい青年伊吹にお礼をしたことから始まった付き合い。
しかし、同じ頃に中野で起きた芸能プロダクションの社長が殺害された事件のことで、警察は伊吹に疑いを向けていた・・・。

なんかねえ・・・せつないなあと思います。このお話は。
「愛情」って何なんだろうなあって言うか・・・伊吹がねえ・・・凄く孤独に見えるんですよね。
歪んでる部分もあるんだけど・・・読み終わりはちょっと悲しい。
ただ・・・夫への目線が少し変わってしまった良子は、今後どうするのかなあ・・・。



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読了:2004.6以前
レビュー:2004.9.5

もう一度住みたい / 新津きよみ (ハルキ・ホラー文庫)

賃貸アパートで階下の住人から嫌がらせを受けた芙美子。
嫌がらせを受けることのない一戸建ての住宅を購入することを決意した。
予定より早い購入だった為、芙美子は競売物件に目をつける。
希望通りの良い物件を手に入れることが出来た芙美子だが、夫の海外単身赴任中に、庭に出ていると見知らぬ男に「ただいま」と声をかけられた。
以前住人だった、芙美子と同じ「高橋」姓の男。
男の出現から、芙美子は気味の悪い女、雪絵につきまとわれ・・・。




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読了:2004.6以前
レビュー:2004.8.10

アルペジオ 〜彼女の拳銃 彼のクラリネット〜 / 新津きよみ (講談社文庫)

「忘れ物?」
新幹線の中で拾った紙袋の中には、拳銃が入っていた。S&W。
柏木由布子。結婚して3ヶ月。夫の暴力に苦痛を覚える日々。
その日、ついに直接殴られて家を飛び出した由布子は、逸美と出会った。
「拳銃を向けたい相手がいる」という逸美と行動を共にする由布子。
一方、警察官になった垂水は警察音楽隊でクラリネットを吹いていた。
由布子の忘れられない面影に胸を曇らせている垂水。
拳銃を持てない警察官の男と、拳銃を手に入れた女。
分かれたはずの二人の人生が、交差する・・・。



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