読了:2005.2.21
レビュー:2005.2.21
黒い仏 / 殊能将之 (講談社文庫)   

福岡にある古いアパートの一室で身元不明の男の死体が発見された。
指紋がひとつも残らない部屋で起こった殺人は一体何を示しているのか。
一方、東京では名探偵石動に仕事の依頼が寄せられていた。
福岡にある安蘭寺にあるという、9世紀の僧円載の秘宝を探してほしい・・・。
安蘭寺へ向かう為、助手のアントニオと共に福岡に飛んだ石動。
無関係に見えるふたつの事件の繋がりとは。
そして事件の真相は・・・?

まず、感想。
「・・・え〜?・・・」

石動の宿への襲撃者辺りから・・・うーん・・・。
事件の真相どーでも良くなっちゃったもんな・・・。
とりあえず探偵が出るから推理物、と思って読むと、ハメられます。
ホラーとか、なんつーか・・・そっち系の覚悟で読まないとダメですね。
んで、そっち系ダメな人にはオススメしないかな(笑)ミステリではありません。
わたしは「ハサミ男」を先に読んだのですが、あのイメージで読んでいると、まったく違う世界へと連れて行かれます。
個人的には「ハサミ男」の方が圧倒的に面白かったかなあ。
というか、そういう系(現実性薄いとゆーか)前提として読めばいいのかな?わたしも『創竜伝』とかは読んでるし・・・。


読了:2004.9.12
レビュー:2004.9.12
ハサミ男 / 殊能将之 (講談社文庫)   第13回メフィスト賞受賞作品  

少女の首をビニールテープで絞め、死体の首にハサミを突き立てる。
マスコミに「ハサミ男」と名づけられたシリアル・キラーは、用意周到な人間で、警察は未だに犯人を挙げられずにいた。
「ハサミ男」が狙うのは頭のいい女の子。
今回狙いをつけた樽宮由紀子の家を調べ、後をつけて行動を確認し、いつもの通り用意周到に「決行」の日を待つ「ハサミ男」。
その日、「決行」予定で樽宮由紀子をマンションで待っていたが、由紀子は帰って来なかった。
仕方なく駅へ戻る「ハサミ男」が発見したのは、まさに自分が狙いをつけた少女の死体。
しかもその手口は、「ハサミ男」そのものだった。
そんな馬鹿な。「ハサミ男」は自分なのに。
樽宮由紀子を殺したのは誰なのか?
「ハサミ男」は真犯人を探り始める。

これはねえ・・・見事に騙されました(笑)
まさかの展開でびっくりです。おかげでアタマが混乱してるので、もう1回真相を踏まえて読み直したいと思っていますが。
自殺願望と殺人願望の間を行き来する「ハサミ男」の複雑な心理、「わたし」と「医師」の対照的な視点。
素直に面白かったです。

  
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