読了:2004.6以前
レビュー:2004.9.8
■OUT / 桐野夏生 (講談社文庫)
これは映画化もドラマ化もしましたよね。
随分前だけど。
わたしは5,6年前に本好きの友達に薦められて、桐野さんの本はコレが初でした。
まさか映画化するとは思わなかったけど・・・。
弁当工場での夜勤でチームを組んで仕事をしている主婦4人。
クールで冷静な雅子、姑の世話にあけくれている苦労人ヨシエ、美人でおっとりとした弥生、金にルーズで見栄っ張りの邦子。
ある日、出勤前に雅子は弥生から電話を受ける。
「どうしよう・・・」
弥生の電話は、不仲だった夫を殺してしまったというものだった。
雅子は弥生の代わりに、ヨシエ、邦子を引き込んで、弥生の夫の死体の処理を引き受けるが、そこから雅子の人生は思いもかけなかった方向へと転がっていった。
事情を抱えながらも普通の生活を送る主婦たちが、突然踏み込んだ人生の暗闇。
そして互いの、本人さえも知らなかった姿が見えてくる。
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読了:2004.6以前
レビュー:2005.1.23
■顔に降りかかる雨 / 桐野夏生 (講談社文庫) 第39回江戸川乱歩賞受賞作品
親友耀子の恋人成瀬から突然電話を受けたミロ。
耀子が、成瀬の預けた一億円と共に行方不明になったという。
親友であったという立場から、2人で共謀しているのではないかと疑われるミロ。
そして同じく恋人であった成瀬にも疑いの眼差しが向けられ、1週間で耀子と一億円を探し出すハメに・・・。
必死に耀子の行方を追うミロと成瀬だが・・・。
一応探偵モノなんだと思うんですが(ミロの父親は探偵稼業を営んでいたので)、推理とかっていうよりはサスペンスって感じですか。
火曜サスペンス劇場とかにありそう(笑)
すご〜くハマるほど面白いって印象があるわけではないけど、読みやすいので何となくサクサクと読めてしまいます。
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読了:2004.6以前
レビュー:2005.1.25
■天使に見捨てられた夜 / 桐野夏生 (講談社文庫)
始まりは1本のアダルトビデオだった。
アダルトビデオの出演者の人権を考える運動をしている渡辺から、暴力的なレイプシーンのある『ウルトラレイプ』出演女優一色リナを探して欲しいという依頼を受けたミロ。
ビデオの発売元やプロダクションをあたって、一色リナの身元の調査を開始するが、なぜか一色リナの資料は残っていないと口をそろえて言う。
そしてミロの元に、脅迫電話やあからさまな脅しがかかった。
たかだかAV女優1人の行方を追っているだけなのにおかしい・・・何かあるのか?
調査を続けるミロの耳に奇妙な噂が入る。
−『ジサツノススメ』というビデオで自分の体を切り刻んでいるのが一色リナで、そしてリナはその撮影の中で本当に死んでいる
『ウルトラレイプ』の中で映っていたリナの部屋にあった、キャンディの壜のようなものと、殺された元アイドルの棺に納められていたキャンディの壜。
渡辺に突然表れたスポンサー。
一色リナの行方の裏側には一体何が潜んでいるのか?
リナを追うミロは知らず知らずのうちにリナという1人の人間の背景を追いかけていた・・・。
印象としてはですね・・・なんかバラバラなんですよねえ・・・。
まあ実際探偵さんが情報集めたりする時はそういうもんなんでしょうけど・・・その場限りの登場人物っていうか、そういうのが多すぎて。
しかもそれが、1回きり情報提供で登場するとかならわかるんですが、その場限りにしては頻繁に顔を出しながら、気がつくといなくなってるって言うか・・・個々の場面場面が、妙にバラバラな印象・・・。
や、ちゃんとひとつのストーリーで、別に展開にも問題とかあるわけじゃないんですけどね。
まあ、「先はどうなるんだろう?」「一体どんな事情があるんだろう」っていうハラハラ感っていうのは結構あります。
テンポも悪くないので、さくさく読めるのは前作と同じだと思います。
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