■グラスハート / 若木未生 (集英社コバルト文庫) 音楽が好きな人たちの話です。 とにかくなんか、純粋に音楽な人たちで、けどいろんなしがらみとか壁とか・・・それは他人だったり自分自身だったりしますが。 けど、熱い物語・・・だと思います。 【AGE】 西野智孝は、普通の高校生。 けれどある日、父親が精神科に入院してしまう。 母親はパートに出始め、智孝自身も部活を辞めてアルバイトを始めるが・・・。 若木さんの記念すべきデビュー作ですね。 この中に登場する西野君のお友達、高岡尚が、今後の『グラスハート』というシリーズにつながってゆくわけです。 母親とのやりとりに苛立ったり、友達と喧嘩したり・・・本当に普通の高校生の男の子が垣間見えて素直な作品・・・と思います。 ・ 【グラスハート】 高校生の西条朱音はバンドでキーボードをやっていたが、女だからと言う理由でクビになる。 悔しさをこらえきれない朱音の元に、突然1本の電話が。 それは「ロック界のアマデウス・モーツァルト」といわれている音楽の天才藤谷直季からのバンドへの誘いだった。 メンバーは朱音が大ファンのギタリスト高岡尚、朱音と同じく新人のキーボード兼ドラム坂本一至、そしてヴォーカル兼ベーシスト藤谷。 持病を持つ坂本に代わってドラムもキーボードもこなせる人材として朱音に白羽の矢があたったのだが・・・。 【薔薇とダイナマイト】 坂本とファーストフードのお店を出た途端、朱音目掛けて生卵がぶつけられた。 「偉そおにしてんなよ!さっさとやめちゃえ!」 ショックを受ける朱音をオーヴァークロームの真崎桐哉が誘い出して・・・。 ファン、オーヴァークロームと藤谷センセイの複雑なしがらみ、そしてCMとのタイアップ。 朱音を取り巻く世界がめまぐるしく動き出す。 【ムーン・シャイン】 ファーストアルバムのレコーディングに入ったテン・ブランク。 けれど、「音楽」に全く譲らない現場は常に嵐で・・・。 ハードなレコーディングの最中、垣間見せる坂本君の不器用な優しさがオイシイです。不器用すぎって説もありますが(笑 納得のいく音を追求するため、それぞれが、それぞれの壁にぶつかる・・・。 坂本君視点の「ムーン・シャイン」も独特な世界観をかもし出してます。 【嵐が丘】 オーヴァークロームのファン鮎見から電話をもらい、彼女を心配する朱音。そんな時にマネージャーの甲斐に、オーヴァークロームが朱音のドラムをサンプリングしたいと言われ、オーヴァークロームのスタジオへ向かう。 桐哉と一緒にいるところを度々目撃されていた朱音はオーヴァークロームのファンに囲まれた。 トラブルの続出に、疑いの目は甲斐へと向けられていき・・・。 【いくつかの太陽】 桐哉に朱音がもらったオーヴァークロームの新曲は、未発表のテン・ブランクの曲と酷似していた。 それを知った藤谷は、桐哉に前代未聞の提案を持ちかける。 バンドとしての次のステップを上がっていくテン・ブランク。 そしてすれ違った気持ちと、気づいた気持ち・・・。 【AGE/楽園の涯】 これは番外編ってやつですね。高岡くんの高校時代「AGE」もここでおさめられてます。 そんで、スタジオミュージシャン時代や藤谷と高岡の出会いなんかも載ってます。 【冒険者たち】 多分このタイトルの元になっただろう同じタイトルのお話、知ってます。昔大好きで、何度も読み返していました。 新しいマネージャーが来て、コンサートツアーに出たテン・ブランク。 ただでさえ逼迫しているスケジュールの中、藤谷センセイは他の人の曲も手がけ、朱音は進路問題に悩み・・・。 【熱の城】 ツアーを終えたテン・ブランクは休む間もなしにシングルのレコーディングに突入。 けれど、様々な事情が絡んでいかずなかなか一筋縄ではいかず、次のシングルの曲を藤谷と坂本でコンペにかけることに。 藤谷が副業にやっている櫻井ユキノと日野ヒビキの間でも、藤谷を巡る確執が発生。 そして進路問題を抱える朱音は、大学を受験することを決意するが・・・。 【LOVE WAY】 これはひたすらオーヴァークロームです。 ・・・以上!! つまり外伝ってやつですね。 ![]() |