ハプスブルクの宝剣 / 藤本ひとみ (文芸春秋/文春文庫)

この作品はとにかく、大好きで大好きで大好きで仕方ない作品です。
保管用にハードカバーと、持ち歩きように文庫本と両方買ってしまったくらい大好きです。
自分がかつて読んだ全ての本の中で、一番の本です。
情熱と野心に燃えるエドゥアルトの、その才能と行動力、クールさと熱さ。
そして激変する神聖ローマ帝国。
何をとっても、胸がときめく作品です。
ちなみに史実にも非常に忠実なので、中世ヨーロッパの激動を知るにもとても良いです。



【ハプスブルクの宝剣 上】

オーストリアのフランクフルト。
ユダヤ人に生まれたエリヤーフー・ロートシルト。
エリヤーフーはイタリアのパドヴァでの大学生活を終え、フランクフルトへ帰ってくるが、内気だった自分を脱ぎ捨て、信念や強さを持つ精悍な青年に変貌していた。
優れた才能と情熱、そしてそれを可能とさせない閉鎖されたユダヤの生活。
彼はそこから立ち上がり、ユダヤを捨て、オーストリア人エドゥアルト・アンドレアス・フォン・オーソヴィルとして生きる決意をする。
フランツについてオーストリア宮廷に臣下として入ったエドゥアルトだが・・・。
恋と友情、そして信念とジレンマが彼を苦しめる。






【ハプスブルクの宝剣 下】

カール5世の後を継ぎ、女王となったマリア・テレジア。
だが諸国が若年の女王に襲い掛かる。このままではハプスブルク帝国は解体してしまう・・・。
フランツの頼みを受け、エドゥアルトはオーストリアを救うため、ハンガリーを味方につけようと奔走する。
だが、あの夜決別したテレーゼの頑なな態度が、エドゥアルトを締め付けた。
ハンガリーはオーストリアに協力をしてくれるのか。
宿敵フリードリヒ率いるプロイセン軍との戦いの行方は・・・。
そして神聖ローマ帝国の帝冠は果たしてフランツにもたらされるのか・・・。


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読了:2004.6以前
レビュー:2004.8.9