読了:2005.6.19
レビュー:2005.6.22
■薬屋探偵妖綺談 銀の檻を溶かして / 高里 椎奈 (講談社文庫) 第十一回メフィスト賞受賞作品
薬屋を営む爽やかな青年風の座木、茶髪の超美形少年秋、赤毛の男の子リベザル。
彼らの店に、サラリーマン風の客が現れた。
表の稼業薬屋とは別に、3人は裏稼業で探偵の依頼を引き受けているのだ。ただし、特殊な事件のみ・・・。
依頼人は、このままいけば命を奪われるという。
一体誰に・・・?
そしてとある小学校の校庭に出来た巨大な「雪の妖精」。その真ん中で、一人の少年が死んでいた。
「周囲に全く足跡のない雪の中」という巨大な密室の中で・・・。
複雑に絡み合う糸と糸、そして人と人。
こーれーはーねえええええ・・・。
あのねえ・・・確かにタイトルをよく読まなかったわたしもわたしなんだけど・・・。
主人公が妖怪なら妖怪と先に言っておいて欲しかったのよ。
最近刑事モノ、探偵モノばっかハマってるわたしとしては、そのノリで読み始めて思わずガクっとしてしまったじゃないの・・・。
・・・てなわけで、これ、妖怪ものです、主人公は悪魔です。
別にネタバレってほどじゃないと思います。読み始めてアタマですぐに出てきますんで。
でもそれだったら、背表紙のあらすじにも書いておいて欲しかったのよ。
まあいいんだけど・・・。
ええと・・・でも、実はこれ、妖怪だのなんだのを絡める必要があったのかよくわかりません。
少し構成しなおせば、事件そのものは普通でいけたんじゃないかなあ・・・。
うーん、面白いのかなあ・・・よくわかんないです。けど、受賞作品です。
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読了:2005.6.13
レビュー:2005.6.13
■ハッピーバースデー / 青木 和雄 吉富 多美 (金の星社)
「あすかなんか生まなきゃ良かった」
両親の期待を一身に背負い愛情を受ける兄とは違い、母親に愛されないあすか。
誕生日の日も、帰ってくるのは遅かった。そして「おめでとう」の一言もなく、耳にしたのはそんな言葉だった・・・。
母親が自分を見てくれないショックで声を失ったあすかは、祖父母の元へ預けられ、与えられなかった愛情を受け、生きることの意味を祖父に教わることで少しづつ強くなっていく。
そして、娘を愛せない母もまた、強い人間ではないのだということに気づき・・・。
うんとー・・・感想は結構難しいな・・・。
悪くはないですよ。
ストーリー性自体はあんまし期待出来ないかも。と言うか、展開が読めちゃうし、読めてしまった通りになっていくんだな、これがまた。
細かな描写とかがあんまりなくて、トントンと話が転がっていって「もっと葛藤とかなくていいんか!?」とゆー感じがなきにしもあらずなので。
ただ、この本の重要性はそういったことではないと思うんですね。
祖父やあすかなど、登場人物の言葉ひとつひとつが大切なメッセージなのではないかと思うのです。
良い言葉がたくさんあります。
考えさせられることもあるし、胸に刻んでおいた方が良いようなメッセージがこめられています。
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読了:2005.6.9
レビュー:2005.6.9
■203号室 / 加門 七海 (光文社文庫)
東京での一人暮らしに希望を抱いて上京してきた清美。 理想の部屋に少しでも近づけるため、アルバイトをしながら大学に通うが、同じ大学に少し気になる男性も現れ、順調なスタートのようだった。
ところが、最初の異変は何か異臭が漂ってくること・・・。
そして得体の知れない物音、天井の染み、男の足・・・。
起こるはずのない出来事に、清美は夜も眠れなくなっていく。
たまらなくなった清美は大学の新里に相談をするが・・・。
怖い、と、思います。
少なくとも読んでいる最中は一人暮らしの女の子とかならかなり怖いかもしんない。
「ありそーな怪現象」の中で極力怖い思いをさせてくれる感じかな。
「ありえないし」って一蹴出来ないって言うか、眠っている時に得体の知れない物音がするとか、変な臭いだけするとか、家に帰ってきてドアを開けた瞬間の真っ暗な部屋の中の気配とか・・・想像できる恐怖って言うのかな。
でも読み終わったら、結構けろっとしちゃいましたが。
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読了:2005.6.8
レビュー:2005.6.8
■時の密室 / 芦辺 拓 (講談社文庫)
殺人容疑で逮捕された汐路。
汐路が被害者の後をつけているところを数人が目撃しており、犯行そのものの目撃者がいるにも関わらず、汐路は「自分は殺したのだろうか。自分には、被害者がまるで透明人間と戦っているかのように急に悶え苦しみ始めたように見えた・・・」と言う。
不審な匂いを感じた弁護士にして探偵森江は汐路の冤罪を信じ、事件の真相をつきとめるべく探り始めた。
そして、時を越えたいくつかの謎に遭遇する。
ひとつは明治時代、オランダ人の雇われ技師エッセルの体験した事件。確かに目撃したはずなのに消えた死体。
そしてもうひとつは昭和45年、医大生氷倉は、そこにいるはずのない友人の刺殺体を発見後、何者かによって昏倒させられた。
森江は現代の「路上の密室」の謎を解き、汐路の無罪を証明すべく、過去の謎に挑む・・・。
これ、どうもシリーズものみたいですね。
森江さんが主人公で。
面白かった・・・と思いますよ。ただいくつかよくわかんないところもあったんだけど・・・いや、解は書いてあるんだけど、わたしがよくわかんなかっただけで・・・。
あと、「んなことあっていいか?」って点もなきにしもあらずなんですけど・・・。
他のシリーズも読んでみると面白いかもしれない。
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読了:2004.6以前
レビュー:2005.5.23
■町 / 栗本 薫 (角川ホラー文庫)
2年付き合ってきた恋人知佳子にうんざりしている貴広は、彼女をドライブに誘った。
目的は旅先で知佳子を殺すこと・・・。
しかしハンサムな貴広と都会的な美女知佳子の取り合わせはどうしたって目立ってしまう。
そこで貴広は誰も知らないような、そして自分たちが絶対に行きそうにないような見も知らない田舎の町を目指して車を走らせるが・・・。
次々と起こる恐ろしい出来事、いなくなった知佳子、気味の悪い老婆、貴広を取り巻きさざめく顔の見えない者たち・・・ここは一体どこなんだ?何が起きているんだ?果たして俺は、無事に東京に帰ることが出来るのか・・・?
途中で起こる出来事、結構気持ちが悪くて怖いです。
何か「すっごい怖くてすっごい面白かった」って印象も特にはないですけど・・・ホラーの読み始めとかにはちょうど良いかもしれない。
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読了:2005.5.20
レビュー:2005.5.21
■エネミイ / 森村誠一 (講談社文庫)
愛弟子に裏切られて自殺した父を持つ娘路江、婚約者をレイプされて殺された矢沢が出会った喫茶店「オアシス」。
最高のコーヒーを飲ませ、最高の空間を提供するこの喫茶店で、2人は法律で守られない被害者を守る組織を作る提携を図る。
路江、矢沢に、暴走族に撥ね飛ばされた娘を持つ末次、暴力団の抗争に巻き込まれて娘を失った星野が加わる。
一方、世間では人気歌手、人気俳優、ヤクザの幹部が次々と殺されていった。
一見何の関係もない殺人に思えたが、その背景に犯罪被害者の姿を見た棟居刑事は・・・。
この事件の謎を解くことが出来るか?
期待したほどの展開にはなんなかったなあというのが正直な感想かも・・・。
結構シンプルに幕をひいてしまうなあ。途中から展開が読めてしまった。
あと感情移入出来る対象というか、視点が絞られていないって言うのが気になるのかもしれない。
自分的にどこに焦点をあてて読んだもんか、というか。
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読了:2004.6以前
レビュー:2005.5.3
■声がききたい / 堀田あけみ (角川文庫)
美人姉妹空子と里久子。
2人は「プロポーションからは想像が出来ないほどの大食らい」という共通点があるものの、性格は正反対。
少し内気でおっとりとした姉空子に対し、里久子は常にアクティブで直球型。
そんな2人の仕事は「聞き屋・話し屋」。
一風変わったその仕事に憧れ、ある日雇われ希望の男江川が事務所へ転がり込んできた・・・。
2人はそれぞれの仕事、恋人、そしてお互いの存在に、悩み、揺れる。
全体的にゆったりとしたお話、という印象でしょうか。
あんまし「凄い面白かったー」という印象がないのは、多分どこに連れてかれたらいいのかよくわかんなかったからかも。
とは言え、一概につまんないっていうわけでもないけど。
何となく何が言いたいのかはよくわからなかったりするが、お話自体は読みやすいかな。 元々はネット小説だったそうです。
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