【写真上】上棟式の様子
      地鎮祭に続く2度目の儀式であまり緊張しな
      かったせいか神主さんの衣装をじっくり観察

【写真左】吹き流し(五色布) 上の丸いのは扇子
     棟箱(または雛箱))が打ち付けられている
     中には紅入れ・ヘアピン・くし・おしろいなどが
     入っている

上棟式
建物の守護神と工匠の神にこれまでの工事が無事に進んだことを
感謝するとともに、竣工に至るまでの加護と建物の永遠堅固を祈願する儀式。
上棟祭、棟上げとも言う。
「建築工事の祭式」2001 学芸出版社より抜粋 

建築のクライマックスでもあり、大切な節目の儀式。職人さん達を慰労し
感謝する機会でもある。このような儀式を経験して思ったのは、精神的な
意味合いがとても大きいことだ。ただの慣習とか形式と言って、片付けら
れないものがある。もちろんその儀式にどのような意味を持たせるかは
当事者の問題だが。

散餅・散銭(さんぺい・さんせん)
餅や銭を散じて災禍を祓う儀式。
餅は3〜4cmの紅白の餅をビニール袋に入れたもの。
銭は5円玉・50円玉を半紙でねじってくるんだもの。施主の年を足した分、
用意する。私たちは奮発して500円玉を4枚入れた。
施主の年齢が高いと金額と手間が増えることになる。

上棟式の前日、私たちは宿泊先でこの散銭作りにいそしんでいた。
半紙に包んできゅっと結べは良いだけだから簡単だろうと高をくくっていた
が甘かった。ちょっと力を入れると、半紙が破けてしまう。2人で3時間くらい
かかったが結構楽しかった。

左の写真は私たちが窓から撒くも、遠くまで届かない。今ひとつ迫力に欠ける。
すると屋根から棟梁と工務店の人が威勢よく撒いてくれた。やはり違う。

直会(なおらい)
式終了後、不動産会社社長Oさん・設計士・工務店・職人さん達出席のもと、
祝宴が設けられた。司会者が出席者を紹介した後、不動産会社社長Oさん
が乾杯の音頭をとる。
施主の挨拶は彼が代表して言うと思い込み、私はのんびり構えていた。
すると突然私に振られ、うろたえてしまった。思ったことを正直に言う。
不安だらけの中、ここまで無事工事が進んでうれしい事、残りの工事も
よろしくお願いします・・・と。
このような機会を持つことで、私たちの家がたくさんの職人さん達によって
作られていることを改めて実感する。

写真は棟梁が「さんさしぐれ」を歌っているところ。
今度は新築祝いで「謡い(うた)」を聞きたいのでお願いする。