時々日記(香穂子の日記)
本日も快晴なり
今日から日記帳を新調。
ピンク色の花が可愛いのを選んでみました。
どんなものでも最初に使うのってドキドキするな〜。
字なんかも綺麗に書くように努力しようっと。
別に日記なんだから誰かに見せるわけじゃないけどね。
では早速。
●月▲日 晴れ
この間は恒例の冬海ちゃんちでのパジャマパーティーでした。
いつもは私と菜美の三人でやるんだけど、森さんを誘ったら「行く!」
って即答だったので今回からメンバーは四人になった。
やっぱり女子高校生四人が集まれば話題は一つ、恋の話。
予想通りというか何と言うか・・・今回もその話になった。
わ〜ん!森さんに私の好きな人が月森くんだってバレちゃったよ(恥)
だって森さんの追及って激しいんだもん!
大きな枕で上から押さえつけられてジタバタしてたら菜美はニヤニヤしてるし、
冬海ちゃんは次は自分かもって恐れてた。
あの様子じゃ冬海ちゃんも誰か好きな人がいるよね。絶対いる!
誰だろ?私の知ってる人かな?
でも、冬海ちゃんは可愛いしモテるから良いよね。
問題は私!
本当に森さんの追及が激しくてついに言っちゃったよ。
月森くんって言った時のあの時の森さんの表情が忘れられないな。
ホント口をあんぐりだったもんね。
「でもさ〜あんたたち、たまに一緒に練習してるじゃん」
「月森くんだって香穂に気があるんじゃないの?」
って菜美が期待を持たせるようなことを言う。
う・・・そんな事言わないでよ。
期待してて振られたらショック倍増じゃん。
森さんも他人事だから面白がっちゃってさ。
「練習室に二人きりでしょ?良いじゃん良いじゃん!」
「この際、日野さんから押し倒しちゃいなよ!」
なんて言い出す始末。
菜美も更に面白がって「そうだよ!」なんて・・・・・。
「だって向こうが行動するの待ってたら付き合えないよ?」
「そうだよ!月森くんから迫ると思う?」
「ましてや視線やら空気を読むと思う?」
「あの月森くんだよ!?」
あの月森くんって言われても・・・(汗)
「こっちから行って月森くんのファーストちゅ〜を奪わなきゃ」
「ああいうタイプって意外と雰囲気とか順序にこだわってんだよね」
「わかる〜。女の子以上に夢見てるって言うか古いっていうか?」
二人って彼氏がいないのに何でそんなことわかるの?
冬海ちゃんなんてウブだから顔が真赤だよ?
「だからね?香穂、あんたから押し倒しな!!」
菜美が私の肩を掴んで力説する。
そんなことに力入れないでよ。
そんな会話をしつつみんなでゴロゴロしてたわけだけど、休みが
明けた今日。
放課後に練習しようとして空き部屋を探してたんだけどどこもなくて、
屋上に行こうとしたら月森くんが一緒に練習室を使って良いって誘ってくれた。
思わずにやけちゃうくらい嬉しかったんだけど、二人っきりになったら
この間の菜美と森さんの話を思い出して落ち着かなくなっちゃった。
ソワソワしてたら月森くんのヴァイオリンケースに躓いて転びそうに
なっちゃって・・・。
月森くんも気がついて慌てて支えてくれようとしたんだけど、間に合わなくて
私が押し倒す形で転んでしまった。(///)
「日野、大丈夫か?」
って月森くんが上半身を起こしながら聞いてきたから、私も
返事しようと顔を上げてみたら月森くんの顔は真赤になった。
「どうしたの?」
って聞いたら月森くんは私の身体を引き剥がしてヴァイオリンを
持つと、そのままダッシュで練習室から出て行って帰ってこなかった。
わ、私何かした〜?
とりあえず自分のヴァイオリンを練習室に置いたまま月森くんを探しにいったら
途中で菜美にあった。
「月森くんなら大慌てで帰ったよ」
菜美はあの時と同じでニヤニヤしながら教えてくれた。
そして親指を立てると「香穂ってば、でかした!!」と褒め始めた。
なに?私ってば何かやらかしたの?
よく解らなくて菜美に聞きまくったけど口が固くて教えてくれなかった。
しかたない。
明日、月森くんにあったら謝るついでにちょっと聞いてみよう。
次の日記は月森かな〜?