瞳を交わしても何も言えない
夢の世界から意識が浮上すると、最初に気づいたのは全身の
ダルさと下腹部への違和感だった。
いつもならすっきりと目が覚めるのに今日に限って中々瞼をあげる
事が出来ない。
布団の中の心地よさと素肌に感じる体温と感触がさらにセイの覚醒を妨げる。
(体温・・・・?)
自分の心の声のツッコミに気がついてうっすらと目を開ける。
自分の背中に当たる自分以外の体温。
セイの白い腕や足にも絡みつく浅黒い手足。
セイは今更ながらに驚いて顔だけ背後を振り返る。
そしてぎょっとした。
総司が裸のまま背後からセイを抱きしめている。
そしてようやくどうしてその状況になったかを思い出した。
(そっか・・・私、先生と・・・)
ずっと抱えてきた思いに蓋が出来ずに総司に吐露してしまったのは
昨夜の事。
きっと拒絶されるだろうと思っていたのに、総司はすんなりとセイを受け入れて
くれた。
抱きしめあい、互いの肌のぬくもりを求め合う中で、セイは総司も自分と
同じであった事を悟った。
互いを愛することで悩み苦しみ、醜くなっていく。
ドロドロとしたそれは、時としてとてつもなく清らかで尊いものに変化する。
それに気づいていながらもどうする事も出来ずに、ただ足掻くしか出来なかった。
「神谷さん・・・・・」
身じろいだセイに気がついて総司も目を覚ます。
相変わらずセイを抱きしめたまま、優しい瞳を向ける。
今までもその優しく暖かい眼差しに気がつくことはあったが、今日は一段と
暖かい。
セイはカーっと全身の熱が高まるのを感じた。
現にセイの肌は桃色に染まっている。
総司は抱きしめている腕にギュッと力を入れて細い首筋に口付けを落とした。
愛しくて愛しくてしかたがない。
やっと手にいれた寵姫。
セイは総司の熱い眼差しからそっと目を逸らした。
(今は嬉しさと恥ずかしさが入り混じって何も言えない・・・。)
ややエロいうえに意味不明ですみません。
06、5、20付けのブログにSSを書いたのでそちらも良かったら・・・。