0 はじめに  iPad用の棋譜プログラムをお買い上げいただき、ありがとうございました。  アップルのストアで申し上げたとおり、このソフトは、パソコン版の囲碁プログラムのうち、棋譜の記録と再現の機能だけをiPad用に移植したものです。ウィンドウズのパソコンをお持ちの方は、よろしければパソコン版も使ってみてください。いまご覧のサイト http://www5f.biglobe.ne.jp/~yobo から無料でダウンロードできます。  iPadには、「メッセージ」とか「メモ」とかいうアイコンが並んでいますが、その中に「設定」というのがあります。これをタップして(指でチョンと押して)、その中の「一般」の「自動ロック」を「しない」にしておくのがいいでしょう。碁友の中には、やたらに長考する人がいて、長考中にiPadがロックされると、ちょっと不便です(笑)。 1 スタート画面  スイッチを「棋譜作成」にして、ハンディ(置石の数)をセットしてから、「start」ボタンを押すと、棋譜作成に移ります。  スイッチを「棋譜再現」にして、ファイル名ををセットしてから、「start」ボタンを押すと、棋譜再現に移ります。なおファイル名は、新しい順に表示されています。 2 棋譜の作成  碁盤をタップすると、その位置に石を置きます。白番・黒番は自動的に反転され、揚げ石は自動的に取り除かれます。位置をまちがえたときは、「<」ボタンをクリックすると一手戻り、揚げ石は自動的に復元されます。  終局したら、「game over」ボタンを押すと、ファイルを保存して、スタート画面に戻ります。ファイル名は自動的に決められます(後述)。  棋譜を記録しないでスタート画面に戻りたいときは、「back to start」ボタンを押します。 3 棋譜の再現  「>」ボタンを押すと一手進み、「<」ボタンを押すと一手戻ります。「>>」で十手進み、「<<」で十手戻ります。  並べている途中で、「ここはこう打ったら?」と、変化図を作ってみたいことがあります。my stepスイッチを押すと、そこから分岐して、好きなところに石を置いたり、戻したりすることができます。 4 棋譜ファイルの自動命名  対局が終わって、iPadの擬似キーボードからシコシコとファイル名を入力するのは非能率ですし、まちがいや重複のおそれもありますから、本ソフトではファイル名を自動的に決めるようにしています。  ファイル名は半角8字で、1字目は当日の西暦年の最後の桁、たとえば2013年ならば3です。もちろん10年前も10年後も3ですが、取り違えることはないでしょう(笑)。  2字目は月です。ただ、10月から12月までは二桁になってしまうので、ABCで代用します。  3字目と4字目は日です。  5字目は置石の数で、0が置石なし、1が二子局(ちょっと違和感がありますね)、2が三子置かせ、3が三子置きます。4から9までは違和感なしで、四子局から九子局です。  6字目と7字目は常に0です。  8字目は原則Aですが、同じ日に複数の棋譜を取ったときは、順次B、Cなどになります。  iPadの中では、以上の半角8字の後に、「.kif(半角)」という尻尾を付けて保存されます。 5 棋譜ファイルの取り出し  ファイルをiPadの外に取り出す方法は、ご存じかと思いますが、いちおうご説明しておきます。後世に残すべき名局ができたときは(笑)、パソコンにバックアップを保存するのがいいでしょう。  まず、アップルのサイトからiTunesをダウンロードします。 http://www.apple.com/jp/ において、上の方に「Mac」とか「iPad」などと並んで「iTunes」というのがありますから、これをクリックすると、アップル側でユーザー様の機械を判定して、適切なバージョンを勧めてきますから、それをダウンロードします。セットアップは管理者権限で行ってください。  iPadをパソコンに接続した状態でiTunesを起動すると、左側にデバイスとしてiPadが表示されます。これをクリックすると、上の方に「概要」「情報」などとともに「app」というのが表示されますから、クリックします。  画面の下の方にYobo棋譜が表示されますから、これをクリックすると、棋譜データがすべて表示されます。取り出したいデータを選択して、保存先を指定すると、お好きなフォルダーにコピーが作られます。  なおデータは、冒頭にご説明したパソコン版と同じフォーマットですから、パソコン版で使うことができます。 6 棋譜の削除  これはやや裏技ですが、ご参考までに。  上記「棋譜ファイルの取り出し」と同じ方法でiPadの中をのぞいてみると、棋譜データのほかに、「listfile.txt」というのがあります。これはテキストファイルですから、メモ帳(Macならばテキストエディット)などで中身を読んだり変更したりすることができます。  そこには棋譜データの名前(尻尾「.kif」がついている)が並んでいますが、そこから棋譜データの名前を削除すると、たとえ棋譜データそのものがiPad内に残っていても、スタート画面の「棋譜再現」でファイル名が表示されなくなります。うまく表示が変わらなければ、いちどiPadの電源を切ってみてください。 7 判明しているバグ  棋譜記録をいったん中断し、インターネットとかメールなどをやってから、再び棋譜記録に戻ろうとすると、うまく戻らず、せっかく途中まで入れた棋譜が消されてしまうことがあります。  まあ私自身としては、碁会所などで棋譜を採りながらインターネットやメールをやることはありませんので、私は困りませんが、ユーザー様に思わぬご迷惑を掛けることがあるかと(冷汗)。  ユーザー様はバグの原因が解明されるまでは、棋譜記録の途中で寄り道をしないようにお願いいたします。