。君らも見ただろう、アレさ。でも、それはボクにとっては好機だった。ボクを追放したクレストに、企業に、復讐してやるのさ。キサラギの馬鹿どものおかげで、企業の力は弱っているはずだ。キミたちにもそれを見せてやりたいけど、残念だったね。キミたちはここで死ぬのさ。』
『長々と、説明、感謝しますわ。でもね、死ぬのは私たちじゃなくて、あなたよ。残念だったわね。』
『威勢のいいお嬢さんだ。嫌いじゃないよ。キミたちの相手はとっておきだ。
ヴァーテブラ=トランスバース。
トランスバース財閥の取締りの長男、ヴァーテブラだ。聞いたことあるだろう?せっかくだから、死ぬ前にいろいろ聞かせてやろう。
財閥取締役のスカル=トランスバースは優れた科学者でもあり、研究の成果として”異質性空間エネルギー論”を提唱した。軍事への利用が可能だった為、クレストから研究データの提供を求められたが、彼は一貫して拒否していた。クレストは裏から手を回し、ミラージュに財閥を攻撃させた。クレストは財閥の味方をするふりをして、体よく研究データを手に入れた。スカルは死に、生き延びたヴァーテブラはフリーのレイヴンとなった。財閥の壊滅の裏にクレストの陰謀を嗅ぎ取ったヴァーテブラは、クレストの依頼を受けつつ尻尾をつかもうとしたが、逆に罠にはめられ、ボクの部隊に拘束された。彼の運命は、人形の実験材料だった。』
『よくしゃべる男ね。それが何だって言うのよ。』
『ひゃはは、あとは、見てのお楽しみ…。』
それっきり、声は途切れた。
ずしり、と地響き。
林立する”ダークネススカイ”の最奥の一機のカメラアイが、点灯していた。肩には王冠のエンブレム。カラーリングは、”ネモリーノ”と同じ、青。
まさか…!
”先程ハ世話ニナッタ…。二人マトメテ、死ネ…!”」
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