AC”ネモリーノ”

ーノ”が振り返った、そのとき、背後から飛来した無数の拡散型ミサイルが”ネモリーノ”を襲った。幾多のミサイルの洗礼を受けた”ネモリーノ”は、大きく体勢を崩した。

”終わるのは貴様だ、ヴァーテブラ!”

俺の、渾身の一撃だった。
コアブロックをブレードに貫通された”ネモリーノ”は、後ろ向きに崩れ落ちた。
だが、恐らく、ヴァーテブラ本人はこの場にはおらず、コクピットにいたのは人形だったのだろう。倒しても倒してもキリがない、そんな無力感に襲われ、俺はしばらく立ち上がることはできなかった。

”チューマー!無事ですの?ジャックは!”

拡散型ミサイルの主は、リンダの”ジャンネッタ”だった。

”ジャックは、見ての通りだ…。”

”あ、ああ…。”

”コロンは?”

”あ…。ええ。あんなの、勝手についてきますわ。”

”そうか…。”

修羅場をくぐってきただけのことはある。リンダは、もう泣かなかった。コロンは、後から一人でついてくるということか。

”…目的の最深部は、もうすぐそこですわね。”

”ああ。…行こうか。”

”ええ。終わらせてやるわ。確実にね。”

俺とリンダは、進み始めた。
ケイ、ヴァーテブラ、多くの敵が待ち受けるであろう、最深部へ。」
10/02/28 08:36更新 / YY

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