は、おかしいですね。誰か、関係ない人が勝手に動かしてるのではないですか?』
フォーラの言う事が、恐らく正しいのだろう。
ダムから水を抜いたのは”フェアリ”か、あるいは手紙の主の”レイピア”だろうか。もしかすると、昨日俺たちを散々な目に合わせた”奴ら”とも、何か関係があるのかもしれない。
何にせよ、昨夜の手紙の内容も考えれば、地下基地へのアクセスに成功した何者かが、俺たちをそこに招き入れる為に、地下基地への入り口を開いたと考えるのが最も自然だろう。
『情報不足だが、クレスト絡みとあらば、行かざるをえまい。…チューマー。お前も当事者だ。一緒に来い。コロンも行きたいだろう。リンダ、すまないが、お前は留守番を頼む。帰る所がなくなってはかなわんからな。』
ジャックの言に、リンダはぷーっとふくれた。
ジャックとコロン、フォーラ、そして俺の4人は、それぞれのACを起動させた。
リンダとノデュールに見送られつつ、4機のACは湖底に降りていった。ぬかるんだ湖底を踏みしめ、程なく、現れた人工構造物の前に到着した。ぽっかりと開いた入り口は、地獄までも続いていそうな暗闇を湛えている。
”行くぞ。”
ジャックの通信を合図に、俺たちはその暗闇へ踏み込んで行った。
それが、未だ誰も見ぬ、地獄の歌劇の開演とも知らず…。」
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