死闘

”奴ら”は無限に押し寄せてくる。前部甲板にいるAC”ジャンネッタ”とAC”ヴィオラ”も同様のようだ。開きっぱなしの通信回路から、リンダの涙交じりの悲鳴が聞こえてくるが、構っている余裕などありはしない。
僚艦”エンケラドス”が、遂にその限界を超えた。弾幕を抜けた無数の”奴ら”が雪崩を打って命中し、大音響と共に左舷が吹っ飛んだ。舞い上がった破片は”ジュピター”にまで到達し、俺の機体を打ちつけた。艦中央の弾薬庫をやられたのか、”エンケラドス”はその甲板上に展開したACとMT数機を巻き込み、断末魔の悲鳴を上げた。あっというまだった。”エンケラドス”は艦尾を高々と上げ、吸い込まれるように海面に没した。沈没により発生した大渦は、海面に残された哀れな兵たちを飲み込んでいった…。」
10/02/28 08:28更新 / YY

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まろやか投稿小説 Ver1.50