はACを買う資金と、ACテストに合格する力量が必要でした。
「嬉しいです。・・・レイヴンって、自分のマークを持ってるんですよね。クレアさんは
なにか考えているんですか?」
「エンブレムのこと?もう・・・フォーラちゃん、気が早いわね。そうね。・・・どうし
ようかしら。フォーラちゃん、考えてよ。」
「えっ・・・?」
思いがけない展開にフォーラは目を白黒。
「あんたの好きなもの描いてもらおうかしら。描いてよ。いいから、あたしのギボンの肩
にさ。」
「クレアさんも気が早いですね。うふふ。わかりました。私の好きなものでいいんです
ね?」
「そう。あなたの絵ならなんでもよさそうな気がするわ。よろしくね。はい、ペンキ。」
ほんとにいいのかな、と思いながら、フォーラはペンキを片手にクレアのギボンの肩に腰
掛けました。
既に整備の終わったクレアはガレージの椅子で小説を読んでいます。
30分後、クレアのギボンの左肩には、かわいい子猫の絵がありました。
「へぇ〜。かわいい。ありがとう、フォーラちゃん。大事にするね。」
クレアはフォーラの描いた絵が気に入ったようです。
「ありがとうございます。でも、やっぱりこんなのダメですよ。もしレイヴンになった
ら、もっとちゃんとした人に描いてもらってくださいね。」
「そうね。じゃ、次、ACが手に入ったら、またフォーラちゃんに描いてもらうわ。いいわ
ね?」
「そんな、クレアさん・・・。」
「あははは。」
こうして夜は更けていきました。明日は仕事。月の綺麗な夜でした。
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