ーナさん!?」
とっさの受身で立ち上がり、駆け寄るリンダ君。
「生まれるッ…!」
あろうことか、ヴェーナ君に陣痛が始まったようだ。叩きつけられたショックだろう。
行きかけたアーテリー中佐が振り返り、血相を変えて駆け寄る。
「ヴェーナッ!…医務室へ行こう。
リンダ君、すまいないが、私の代わりにアレを頼む。私はヴェーナを医務室へ連れて行く。」
苦悶の表情のヴェーナ君は、リンダ君を呼んだ。
「リンダちゃん。」
「はい、ヴェーナさん。」
「あの子…。フェアレちゃんを、助けてあげて…。
あの子に足りないのは、何か。リンダちゃんにはわかっているはず…。」
”ダークネススカイMk.II”は、轟音と共に艦外へ飛び立っていった。
鳴り響く警報。
一刻の猶予も無かった。
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