のカイゼル君は?」
「チューマーと共に、敵残党の掃討に向かって頂きましたわ。カイゼルもなかなかの腕ですわね。」
「そうか。カイゼル君にチューマー君も一緒か。なら大丈夫だろう。」
アーテリー中佐は、カチリと煙草に火をつけた。
白い煙がすじを書いて天井へ昇っていく。
「ところで、アーテリー中佐。奥様、おめでたなんですって?」
「ああ。耳が早いな。はは。そのようだ。これで益々、私は死ねなくなってしまったな。」
アーテリー中佐は照れくさそうに頭をかいた。
彼は数年前に、社内結婚し、以後、忙しいながらも幸せな家庭を築いているらしい。
奥さんの名はヴェーナという。青い髪の、少し気の強い女性だ。
「私、ヴェーナさんにあこがれているんです。私もあんな強い人になりたいです。」
「ああ…そうか?伝えておくよ、はっは…
おや、もう時間のようだ。私はこれで失礼するよ。リンダ准尉もミーティングに遅れるな。」
アーテリー中佐は煙草を灰皿に収め、席を立った。
「リンダ准尉。俺も行きますぜ。」
アーテリー中佐と、続いてロキ上等兵はビュッフェを出て行った。
リンダ君も、手を拭きながらパタパタとキッチンの奥へ消えていった。
では今度は、戦場に残っているという、カイゼル君とチューマー君の様子を見てみることにしよう。
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