けていたのですね。大変だったでしょう。
では、最後に何か一言ありましたら。』
その時、それまで恥ずかしそうに下を向いていたフォーラさんが、初めてテレビ画面に顔を向けました。その緋色の目は、きらきらと輝いています。
『コロン先輩。見ていらっしゃいますか?突然飛び出してすいません。私、強くなりたかったんです。
本当は、今すぐにでも先輩のところへ飛んで帰りたいのですが、その前に、やはり私は”あの男”と決着をつけなければなりません。お願いです。それまで待っていてください。』
フォーラさんは、そう言ってぺこりと頭を下げました。
「フォーラちゃん…!」
コロンさんは、溢れる涙を拭おうともせず、テレビ画面を見つめていました。
と、突然、画面が切り替わりました。
緊急放送です。
『番組の途中ですが、緊急放送です。
クレストの兵器工場で事故がありました。現場から中継でお伝えします。』
映し出された画面には、紅蓮の炎を上げて燃え盛る、クレストの軍事工場がありました。
その中央、流星雨のように砲弾をばら撒く、異形の機体。
”ダークネススカイ”!
『はい。現場からです。発表によりますと、クレスト社が開発を進めていた新兵器、”ダークネススカイ”が、突如暴走を始めたようです。コクピットにいるはずのチューマー=マリグナント氏からの通信は途絶えています。
…あっ、砲撃がこっちへ来ます!あああ、ギャァー!!』
画面はそれっきり、砂嵐となりました。
コロンさんは立ち上がりました。
その時、応接室のファックスが動き出し、一枚の依頼文を吐き出しました。
”緊急かつ重大な依頼 送信者:クレスト
これは、全てのレイヴンに送信しています。
暴走する新兵器”ダークネススカイ”の破壊を依頼します。
極めて危険な兵器です。確実な破壊をお願いします。
依頼主:クレスト
依頼内容:”ダークネススカイ”の破壊
契約金:0C
成功報酬:200000C
作戦領域:クレスト軍事工場 ”
素早くパイロットスーツに着替えたコロンさんは、ガレージに向かって駆け出しました。
[2]
前へ|[5]
前編へ [6]
続編へ
[7]
TOP [9]
目次