いました。
「アルピニー准尉から、大体の話はお聞きと思います。
依頼内容は、我が社の新型兵器”ダークネススカイ”のテストです。」
「…ああ。」
「詳細は後ほど、マニュアルでお渡ししますが、操作方法は簡単です。攻撃目標を頭でイメージしていただければ、あとはAIが機体を操作します。」
「…そうか。AIか。」
ファイザー少佐は、淡淡と依頼の内容を説明していきます。
「搭乗の際には、”サイココネクター”と呼ばれるセンサーを頭につけさせていただきます。多少の苦痛を伴いますが、その分、報酬に上乗せしてあります。」
「…構わない。」
「テストの実行は、一ヵ月後です。それまでは、貴校のデータを採らせて頂くため、別館の研究所に待機していただきます。」
「…一ヶ月か。長いな…。」
二人が廊下の突き当りまで来ると、音もなくシャッターが開きました。
暗い格納庫にぱっと明かりが灯ります。
そこには、人型と呼ぶにはやや厳しい形状の巨大兵器が鎮座していました。
”ダークネススカイ”。
黒光りするその異形の悪魔を、チューマーは無言で見つめていました。
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