第6話

の銃口をコアへ押し付け、さらに追撃の一撃を叩きこむ−
「あがぁァァ−…!?」
 ショットガンがその銃身を裂きながらGLKのコアを形成するフレームが軋み、装甲が砕ける−
「ストライクッ!」
 ジュンの鋭い視線は相手の急所を捕えて離さない。彼の意思を体現するかのように神槍のような一撃がGLKを射抜く−
 “パイルバンカー”
紙くず同然の装甲が裂け、フレームに鉄杭が撃ち込まれる−
刹那、炸薬が破裂。バンカーが右腕からパージされる。
その時、既にタイプTLは、左手にBD−0 MURAKUMO“刹羅”を構え居合抜きのような姿勢を取っていた。
「エンドォッ…!!」
 そして、GLKのボディを横にかまいたちのような一閃が駆け抜ける−
 その斬られた勢いのまま、コントロールを失ったGLKは廃墟へと突っ込んだ。
 次の瞬間、大きく炎と砂塵が舞い上がり、この戦いに決着がついたことを告げた。
 それと同時にタイプTLもオーバーロードした各部から白い煙を上げ、沈黙した。
「はぁ…はぁ…はぁ…」
 サウナルームと同等になったコクピットでジュンは口を大きく開き、うなだれながら、愛機のカメラアイの映像を視た。
 センサーにGLKの反応はない−
「倒したのか…?」
 横目で指揮官を失い、繊維を失い逃げる敵軍を横目で見ながら、それをリュークも確認した。
機をタイプTLの側へ着地させ、未だ砂塵の上がる廃ビルを視る。
 大きく深呼吸をし、息を整えジュンは目の前の大穴を凝視した。そして、
「…リューク。あの男は、どうやら人間やめたらしいぜ…」
 そう小さく告げる。
 それに“どういうことだ?”とリュークが聞き返そうとした時、砂塵の中に蠢く影が現れた。
「そんな…、バカな!?」
 リュークが目を大きく見開き、驚きの声を上げる。
“GLKだ”
 二人の意思が目の前のシルエットの正体を認識する。
「やれやれ…。全身全霊、全力全開、全弾叩きこむ、フルアタックだったのになぁ…」
 タイプTLは左手に残る唯一の武器であるブレードを構える。
「クソッ…」
 タイプTRも残り数発のライフルを構える。
 やがて砂塵から腹部が割れ、人型を辛うじて保っているAC“GLK”が現れた。
「ド−ヤラ…、ワタシは…−でオワ…ら…ぃ…」
 ノイズ交じり、途切れ途切れに機械のような声がスピーカーから聞こえてくる。
「リグシヴ…。貴様−」
 壊れたGLKのコクピット。そこに乗っているリグシヴ・ウェーバーという人間は既に死んでいた。
 しかし、そこに人らしき機械が、焼けた皮膚の間から見えるその機械の紅い瞳をこちらへ向け、何かを語ろうとしている。
「…ダガ、お前たちも−…オワリ…」
 GLKがゆっくりとその身を崩壊させながら、二機の方へと歩いてくる。
「“アレ”は止ま−ナイ…。例え、トリニティシス……で−っても−!?」
 刹那、ジェネレーター内に残っていた可燃物に引火したのかGLKのコアらしきものから大きく火柱が上がった。
 思わずリュークとジュンは、息をのみ、背筋に冷や汗が流れる。
「フフ…。ハ…fuhaッ…、ハッhaッ…ahhhhhハハhhッ………!!!」
 刹那、大きく燃え盛りながらリグシヴは、GLKは、二機へと獣のごとく飛びあがり、襲い掛かる−…が、
“バキンッ”と火柱を貫き、一発の銃弾がGLKの腰を射抜き、刹那GLKはバラバラに爆散した。
「何だ?何が…」
 何が起こったか、分からないジュンに対し、リュークは冷静だった。
「間違いない。キャノンタイプの−」
 リュークの口調が変わる。
「えっ?」
 ジュンがタイプT
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まろやか投稿小説 Ver1.50