第6話

※初めに
本作品は、アーマード・コアXを元にした二次創作作品です。
原作にはない設定、用語、単語が登場する他、筆者のフロム脳で独自解釈した世界観の見解が含まれます。


ARMORED CORE X
Spirit of Salvation

6.『最後の攻防戦(後篇)』


閃光。
硝煙。
爆発。
轟音。
目まぐるしく、目の前で事が移り変わっていく。
「ハァァッ…!!」
 烈火のごとく、人機一体となったジュンは、愛機タイプTLの左腕を思いっきり振り出した。
 風を切り、特殊金属で形成された刃が敵の頭部へと向かっていく−
 だが、次の瞬間それは寸前の所でゆらりと交わされ、変わりにジュンの視界へ銃口が入った。
「ッ…?!」
 歯を食いしばって声にならない声を漏らし、ブースト制御のフットペダルを思いっきり踏み込む。
 後方へ飛びながらのハイブースト。
 タイプTLが一機分の回避スペースを確保した瞬間、GLKの右手に握られたバトルライフルが火を噴いた。
 飛んでくる炸薬弾をタイプTLは、八艘跳びのように跳び、駆けまわって当たらぬよう回避していく。
 素早く動く相手に苛立ったのか、さらに左手のプラズマガンも構え、放ってきた。
 それを確認したジュンの耳へ警告音が飛び込んでくる。
 後方から敵機。数は二機。
「クソッ…!!」
 背後に迫る機動兵器の気配を察したジュンは、愛機の右足が地についたと同時に、それを軸にして反転した。
「邪魔だ!」
 その両手には、ガトリングガンとショットガンが握られている。
 刹那の咆哮。複数の弾丸が眼前の兵器を容赦なく鉄屑に変える−
「敵に背を向けるとは…、愚かだな−」
 それを狙っていたGLKがタイプTLに照準を合わせた。
「そういうお前もな!」
…が、刹那上空より跳んできたライフル弾がGLKの装甲を削り取った−
 舌打ちし、リグシヴはブーストと味方機を利用し、タイプTLから大きく間合いを取る。
「サンキュー、リューク!」
 空から降りてきたタイプTRに敬礼のような仕草をしながら、ジュンは改めて自機の状態を確認する。
 稼働限界まで、残り30パーセント。
 タイプTRも恐らくそれ前後だ。
 敵機の数は目の前のGLKを入れて、10機。
 改めて大多数の敵機相手にここまでやれたと思う。
 長期間戦闘を維持できたのは、出撃前にタイプTRにある左右のハンガー搭載武装をオミットし、予備の携帯弾奏に換装したからだ。
 時折タイプTRから銃器の弾を補充しながら、かつ連携で戦ってきたので、消耗を最小限に抑えることができた。
(…あとは、目の前のボスキャラをどう倒すか、だな)
 改めてジュンが身構えた時、外部スピーカーを通してリグシヴの鼻で笑う声が聞こえた。
「実に惜しい。実に惜しいな。お前達」
 “クククッ…”とせせら笑いながら、リグシヴは言う。
「何がおかしい。ついに狂気で気までふれたか?」
 冷たく突き放すようにリュークが答える。
「お前達のような実力があるものが、何もできない小娘のために命を張るのが、実におかしくてたまらないのだよ…」
「黙れ!貴様もかつてはあの街のために戦っていた者だろう…!?」
 リュークのその問いにリグシヴは、“そういう時もあったか”とあっけらかんとした様子で答えた。
「だが、今は過去の話をするために来たのではない。残念だが、お前たちにはここで視ていてもらおう」
「どういう意味だ?」
「私は“道化師(ピエロ)”だよ」
 それを聞いて、リュークは堪らず“クソッ!”と叫んだ。
「ジュン!嵌められた!これは陽動だ!」
「何
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