13.『終焉/破壊の牙』

※初めに
本作品は、アーマード・コアXを元にした二次創作作品です。
原作にはない設定、用語、単語が登場する他、筆者のフロム脳で独自解釈した世界観の見解が含まれています。


ARMORED CORE X
Spirit of Salvation

13.『終焉/破壊の牙』


 戦闘開始からどれだけの時間が経っただろうか?
 島は、もはやただの機械要塞と化していた。
 その景観は、機械の大地と化し、次々と無尽蔵に異形の兵器たちが生み出されていく。
 島の面積の8割を浸食し、それでいて、未だその進行は止まらない。
 傷ついた機械をその部位から浸食するソレらから逃げるため、機械の化物とグローリー・スターと戦いながら、この島の表港まで退避した。
 暴走する浸食機械が島全てを呑みこみ、溢れだすのも時間の問題だった。
 イグニスはふとエリーゼの事が気になった。
 アルトセーレに連れ出され、ティオやノルンらの話では、今現在彼女は奴らの軍勢に捕らわれているという。
 その軍勢の長―“スモークマン”
 この男は、人を人として見ない男だ。人としての何かが欠如しているのかもしれない。
 だが、今はそれを深く考察し、議論する場ではない。
 眼前で繰り広げられる生と死の駆け引き。相手は玄人だ―

「スモークマンッ!!」
 飛んでくるライフル弾をソルジット・タイプTLは、グライド・ブーストとハイ・ブーストを連携で回避しながら特攻する。
「うおおおおぉぉぉぉぉぉ………!!」
 そして、勇ましい雄叫びと共に、怒涛の勢いでグローリー・スターへと迫る―
 振り上げた右腕のガトリングガンが唸る。無数の弾が火線を描き、地を叩き、火花を散らしながら多脚のACへ襲いかかった。
「フレアと同じタイプか…」
 ブースターを灯し、グローリー・スターは間合いを取るべく、その場から後ろへ飛ぶ。
 それよりも早くタイプTLのブレードがグローリー・スターを追いかけ、捕えた―が、それはグローリー・スター本体ではなく、その左手に握るライフルであった。
「甘いな、小僧」
 ニタリとスモークマンが笑う。
「!?」
 刹那、ジュンの駆るソルジット・タイプTLの両足を飛んできた機械のツタが捕えた。
「貴様の攻撃は、勢いだけの一直線だ。動きを見極めてしまえば…、どうということはない!!」
 そして、まるでスモークマンの意思を反映するかのように、その巨体を遠くへ放り投げた。
「ジュンさん!…!?」
 飛んでいくソルジットを見送って、イグニスは殺気を感じ取った。
 刹那、飛んできた弾丸が足元を複数叩く―
 狙撃。その計算尽くされた攻撃は、スモークマンの狙い通りファントムを空中へと飛翔させた。
「戦場に迷い込んだか、素人が―」
 ファントムをロックオンし、トリガーを引く。
 次の瞬間、肩のハッチから開き、KEミサイル UVF−15 JABALPURが複数飛び出し、ファントムへと集った―
「うわぁぁぁっ…!?」
 恐怖に一瞬怯む。
「ちくしょうぉぉぉ……!!」
 だが、自分を奮い立たせるかのように、イグニスは叫び、操縦桿を本能的に倒した。
 まるで風に揺られる操り人形のようではあるが、飛んでくるミサイルの束を引きつけ、それらの間をくぐり向ける。
「死んで!たまるかぁぁぁ……!!」
 そして、グライド・ブーストで一気に近距離まで距離を詰めると、武装をハンガーにつけていたバトルライフルに持ち替え、がむしゃらに連射した。
「ほぅ、面白いな…」
 だが、それはグローリー・スターをかすることなく、それらは全て優雅に交わされると、
「だ
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