※初めに
本作品は、アーマード・コアXを元にした二次創作作品です。
原作にはない設定、用語、単語が登場する他、筆者のフロム脳で独自解釈した世界観の見解が含まれています。
ARMORED CORE X
Spirit of Salvation
12.『現在(いま)/目覚め』
放物線を描く―
そして、それは向かい来る敵機を通り抜け、近くの建物へ当たり、炸裂する。
瞬時に数千度の灼熱となって、その衝撃と共にACという兵器の装甲を焦がした。
「ッ…!」
イグニスは歯を食いしばり、高Gに耐える。
ブーストダッシュ―
ライフルを構え、照準をFCSに任せ、乱射。直線を描き、高速で無数の弾丸は襲い来るソルジット隊へと向かった。
火花を散らし、装甲のかけらが弾け飛ぶ。だが、それをものともせずAC“ソルジット”たちは、ガトリングガンを構え、ファントムへと襲いかかった。
刹那、ライフルの弾幕よりも激しい弾の嵐が、けたたましいうなり音と共にファントムへと向かった。
「―ジュンさん!」
跳躍。さらに宙を蹴り、施設の影へと身を隠す。
ソルジット3機がそれを追撃しようと銃口をそちらへ向けた時、蒼白のシルエットが彼らの前に躍り出た。
それも同じくソルジット。しかし、それは彼らの機体を元に造られた異なる機体―タイプTL。
「いっけぇぇ!!」
パイルバンカーを構えた右腕が、ファントムを追っていた一機のソルジットへ鉄杭のように振り下ろされる。
刹那、激しい打撃音と共に小さな爆発が起き、胸部を射抜かれたソルジットの体がビクンッと痙攣を起こした後、沈黙した。
それを見た2体のソルジットがハイ・ブーストで後退しながら、主兵装であるKO―5K3/LYCAENID式ガトリングガンを構えた。
「逃がすかよ!」
飛んでくる弾丸の雨を潜り抜け、タイプTLは左腕の、もう一つの近接武装であるBD−0 MURAKUMO“刹那”を構えた。
空を裂き、白き刃が容赦なく2体のソルジットのガトリングと共に両腕部と脚部を切り裂く。
よろめき倒れる2体へ止めを刺そうとジュンは、ブースト・チャージの態勢に入る。
だが、それは放たれることはなかった。
「チッ!」
別方向からの銃撃。残るソルジット2機とフォールン・ヴァルキュリアの銃撃だった。
「図に乗るな!劣兵どもが!!」
殺意をむき出しに、悪鬼のごとくフレアはブーストペダルを強く踏み込み、機体を飛ばす。
軽量機ならではの瞬発的加速力。回避運動へ移ったばかりのタイプTLとの間合いをまた瞬く間に詰めた。
そして、鋭く出力されたレーザーブレードを持つ左腕を振り上げ襲いかかった。
「野郎ッ!」
自機を上回る加速力に驚愕しながらも、ジュンは直感にまかせBD−0 MURAKUMO“刹那”を振り上げた。
振り下ろされたレーザーの刃とそれを遮る鋼鉄の刃がぶつかり激しく火花が飛び散る。
「チィッ、小癪な!」
弾かれた刃を構え直し、フォールン・ヴァルキュリアはさらに突きを繰り出す。
胸部をわずかに焦がしながら、ハイ・ブーストで後退し、その突きを交わすタイプTL。
フォールン・ヴァルキュリアと一騎撃ちの様相になったタイプTLへ僚機のソルジット2体がガトリングガンの照準を合わす。
それと入れ替わるように、上空から手榴弾が降ってきた。
「やらせるかよ!!」
それはイグニスのファントムから放たれた物だ。
ロクに狙いをつけずライフル弾と共に上空からソルジット部隊へ向け、乱れ撃つ。
連続で起きる爆発に身動きを取れないソルジットたち。
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