ACX二次創作小説第二話−序説

『目標(ターゲット)確認、排除開始−』
COMのボイスの後、高速回転を始めた砲身がけたたましく吼え、目の前の化け物を瞬く間に鉄クズ同然に変えた。
「とんでもない奴だ…」
 わずかな時間に起こった出来事にリュークは、思わず言葉を漏らした。
 まるで人間とは思えぬ反射反応と回避機動。少なくとも瞬時に、あのレベルの機動戦闘を行える人間は、早々居ない。
 眼前のターゲットを破壊し、タイプ0は動かなくなった。
『周辺の熱源の消滅を確認。システム、戦闘モードへ移行。危険、生体反応が低下しています。生命維持のため、待機モードへ移行します』
 ぐったりと項垂れるイグニスに機体がそう告げ、各部から熱気を放出し、停止する。
 雨の中、再び待機モードへ移行するAC。両腕に武装を握ったまま、膝をくの字に曲げ、腕をダラリと下ろしたその姿はまるで戦いながら死んだ屈強な兵士のようだった。
 機体を叩きつけるように激しく振る雨。それは、まだ降りやみそうにもない…。

2.終

次回は6月5日頃、投稿予定です
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まろやか投稿小説 Ver1.50