始動

抵抗する敵戦力を全て撃破せよ。
これが俺達に課せられた任務だった。
俺はこれから戦う前に、ブリーフィングの事を思い出していた。

世界から実力者達が今回の掃討作戦のため企業に呼び出された。俺も呼び出された内の一人だった。またその内、数人は会ったことがあるのか話に花を咲かせていた。ここは広く五十人は入りそうなブリーフィングルームだった。
俺は会ったことがある奴なんていなかった。友は皆、死んだのだから・・・。
そんなことを考えていると、壇上に二人の影が見えた。一人は男だった。男は椅子に腰掛けるともう一人に顎で合図した。もう一人は綺麗な女性だった。
「皆さん、今日はお集まりいただきありがとうございます。」
なんて、感情が入ってない声でもくもくと概要を説明し始めた。
聞けば、あの女性は今回の作戦のオペレーターで今回はただ敵を掃討するだけで良いらしい。簡単な任務だ。
後は聞き流して済まそうとしていたがそれはできなかった。
「・・・、による作戦の主任はガルマ中尉です。」
ガルマ・・・?まさか!?
「中尉だなんてよぶなよ〜?今は主任だからな。」
「失礼しました。ガルマ主任。」
このひょうひょうとした声・・・。どこかで・・・?
「下端の命なんて企業にしてみれば安い。報酬が欲しけりゃ精々頑張りな〜。」
なんて笑いながら言った。その声に・・・
「では皆さん出撃の準備をしてください。」
ずっと傷が疼いてた。

「間もなくAC降下ポイントに入ります」
オペレーターの声によって意識が現実に戻ってきた。
ガルマ・・・。あの男は一体・・・?
今は考えるのは止めよう。これから戦場に入るのに余計な考えはいらない。
今はただ・・・
「AC降下します。」
目の前の敵を倒すだけだ・・・!

一機の鴉が荒廃した世界へと降り立った。






12/01/29 14:28更新 / N-BYk

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まろやか投稿小説 Ver1.50