「・・・さん、起きて。兄さん起きて!」
身体を揺らされている感覚がする。
軽く寝がえりをうって仰向けになれば、眩しい朝日が目に挿しこんでくる。
その2つの攻撃で俺はゆっくりと目を開けて目を覚ました。
目の前に見えるのは、今日1つ、歳を取ることになるサンの姿だ。
昨日は杏子と夜遅くまで語り合っていたんだったけ・・・。
何時に寝たのかが詳しく思い出せない。
「・・・あ、ああ。」
俺はサンに対して寝起き声でサンに対して応答した。
まだ眠いが、今日も頑張らなければならない。
「大丈夫?」
サンは俺に対して心配する様な感じで言葉を言ってくる。
まあ、いつもはサンよりも早く起きて居るからな。
病気にでもなったのかと心配してくれているのだろう。
相変わらず、お前は優しい奴だよ。
っと、その前に忘れない内に言っておこう。
「・・・誕生日おめでとう。」
「う・・・うん!ありがとう。」
俺は上半身を起こしながら笑みを軽く浮かべてサンに対して祝いの言葉を述べる。
サンは俺の言葉に多少きょとんとしながらも、暫くすれば笑みを浮かべて礼を返してくれた。
「すまない、用意してないんだ。プレゼントは・・・。」
俺はサンに対して申し訳なさそうな表情を浮かべて言葉を言った。
言い訳と言っては何だが、杏子を見張るのが忙しかったのだ。
今となってはそれも必要のない行動になりそうだ・・・。
「あれ?じゃあ、アレは・・・?」
サンは首を傾げてきょとんとした感じで俺に言葉を言った。
ああ、そうだった。杏子がプレゼントを置いてきたんだったな・・・。
「・・・それは知らないな。」
俺は杏子の名前を出そうかと思ったが、知らないと嘘をついた。
言わなかった理由は杏子が秘密裏にプレゼントを置こうとしていたからだ。
俺に見つかったのは誤算だったようだからな。
それにしてもプレゼントの中身は何だったんだろうか・・・
「えー。じゃあ、誰かな?」
「お前がいい子だから。神様がくれたんじゃないのか?」
「僕は子供じゃないよ!」
サンは、俺が知らないと言ったのを聞いてますます首を傾げた。
まあ、杏子にたどり着くことは多分ないだろう。
俺はそんなサンに対してフフッと軽く微笑みながら悪戯な言葉を掛けてやった。
サンは、子供扱いされたのが気に入らないのかムッとした感じで口を膨らませて抗議した。
「じゃあ、僕は先に朝食を取ってくるね!」
サンは考えるのをやめたのか、俺に対して言葉を言った。
そして部屋を出て行こうと少し早足でドアの方に向かって歩き出す。
ちょうどサンが扉を開けた時だろうか、パンと火薬が破裂する様な音が聞こえた。
「わっ!?」
「誕生日おめでとう、サン。」
サンはいきなりの事に驚いてしまって思わず身を守る様な姿勢になってしまった。
一斉に身を守る様な姿勢を取っているサンに対して声が掛けられる。
ドアの目の前に居たのは、正面にクラッカーを向けて居るなべさんに、ロウケンさん、リーダーの三人、そしてその後ろに杏子がいた。
「へ?み、みんな・・・?」
サンは声が聞こえるや否やゆっくりと警戒を解いて目の前の光景にきょとんとしていた。
そしてサンはちょうどベッドから立ち上がって着替えようとしていた俺に視線を向けてきた。
とりあえず、俺は軽く微笑みながら頷いてやった。
「兄さん。僕は行ってるね!」
「ああ、行って来い。」
サンは満面の笑みを浮かべながら言葉を言った。
俺は嬉しそうなサンに対して命令の言葉を言った。
サンは嬉しそうな感じで皆と一緒に行ったのか部屋を出て行くのであった。
そういえば、誕生日祝いなんて殆どしたこ
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