魔理沙を狙う影

森の上空、夜風が涼しくて気持ち良いくらいだ。
黒い魔法使いこと霧雨魔理沙は箒にまたがりながら、アリスの家へと向かうのであった。
魔理沙は軽く鼻歌を歌いながら、これからの事を思い浮かべて、ご機嫌な様子であった。
と思ったのも束の間で箒に乗っている魔理沙に向かって下の森の中からガサガサと不意に飛び出してくる影が1つ。
魔理沙はこれからの事に気を取られていたのか、下の影には気づかずに見事に箒の穂の部分に飛び出してきた影は当たり、魔理沙は箒のバランスを崩してしまうのであったが、何とか立て直し航行するのであった。
影は再び森の中にガサガサと葉に干渉するような音を立てて地面に降りたようであった。
「一体何なんだぜ?」
魔理沙はそう呟きながらも黒い帽子を深く被り直すような動作をした後に必死に下を見やるのであった。
下には森が広がっているだけで、自分を下から攻撃してきた影の姿は見えなかった。
だが続けて下を伺って居るとまた影が昇ってくるのが確認できた、同じ手には乗らないぜ、魔理沙は思いっきり横に箒を傾けるのであった、ざまぁ見ろといった風に後ろを見やるのであったが、影は落ちていく様子は見えずに自分の居る位置よりも少し高い場所に居た。
「・・・!?」
後ろを取られた。
魔理沙は焦りながらも前に進むことを止めなかった、止まれば狙い撃ちにされる、そんなことはこれまで経験してきた戦いで分かりきったことだ。
来るに違いない、急降下ッ!魔理沙は箒を限界まで下に押しつけるようにする。
影も獲物に飛びかかるが如く滑空したが、魔理沙の下に強い動きにはついて行けないと判断したのか追跡するのを断念したようで、森の中に消えるようにして居なくなった。
「・・・あ」
魔理沙は追いかけてこないのを感じて危ない危ないと言った感じでフウと息をつくも高度が下がりすぎて木にぶつかるような高さになっていた。
間に合わない、箒を上に上げようと重心の移動をするも木の枝やら葉にぶつかって痛い、痛いと思った矢先に手首に太い枝が当たって箒と手が離れるのを感じた。
勿論、箒が前方に飛んでいき、魔理沙の身体は前に投げ出されるように回転しながら宙を舞い、木のない開けた場所で地面に背中を打つような感じで大きな音を立てて倒れるのであった。
そして箒は此の先にあった家のガラスを大きな音を立てて割り家の中で止まったようであった。
「ま〜り〜さぁ〜!」
その箒が突っ込んだ家というのはアリスの家なのだが、アリスはその頃、料理中でここに来る途中の魔理沙と同じように鼻歌を歌いながら、お玉のような物で鍋を混ぜるのであった。
料理も出来たし、後は・・・と思ったその矢先、ガラスの割れる鋭い音がした。
アリスはハァと息をついて怒るような声を上げて、人形にお玉を持つように命令して、鍋を任せた後にガラスが割れた現場を見に行こうとするのであった。
現場に来たものの、魔理沙の姿はなくあるのは床に落ちた箒のみでアリスは首を傾げてしまうのであった。
この部屋から出て行った形跡はないし、隠れている気配もしない。
色々と可能性を浮かんでは消えていき、まさか、と最悪の事態が起こっていることをようやく思い浮かべれば、慌てたような感じで外に駆け出すのであった。
外はもう既に夜で暗く、森の奥からは怪しげな気配がプンプンする。
案の定、アリスが外に出て当たりを見回せば離れた場所に黒と白の横たわる影が確認できた、魔理沙だった。
「魔理沙!」
「・・・ァ、アリス?」
「ど、どうしたの!?」
「ちょっと、箒から落ちただけだぜ・・・」
「大丈夫なの!?」
アリスは恐る恐るとい
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まろやか投稿小説 Ver1.50