フェンリル・アインVS巨大兵器戦から数10分前・・・
爆音と共に鳴り響く絶叫。この世の物とは思えない声がアナザーの耳に鳴り響く。アナザーはその声に耳を塞ぎしゃがみ込む。
「くっ・・・・!なんだ今のは?」
アナザーは建物の中に侵入は成功したものの、さっきの叫び声と共に施設のアラートが鳴り響く。状況が読み込めなかったがさらに中に入るには好都合と思い、混乱の中施の設中枢に向かっていった。
そう、あのフェンリル大尉と戦った「物」がいる場所へ。
「拉致が飽きませんね・・・切り刻むのは好きですがこうも硬く、再生を繰り返しては」
そのころフェンリルは例の巨大兵器に苦戦の最中であった。
得意のデュアルブレードの斬撃をもってしても倒し尽くすことの出来ないその兵器は攻撃こそしてこないが、こちらからのダメージも与えられない。
そう『倒し尽くす火力』が必要だった。あの強固な装甲を破壊し、再生すらさせない火力。フェンリル大尉には1つ心当たりがある、それを彼女は持っている。 彼女の助勢を受けるのは癪だが任務という縛りがある以上そんな悠長な事を言ってられる暇もない。
フェンリルは上司である彼女に通信を繋げる事にした。
「アイン中佐、どうやら結構面倒な事になってるようです」
・・・・
アナザーはいともたやすく中枢に侵入する事に成功していた、気味が悪いほどに人気の無い広い部屋が目の前に映る。
そこには巨大な機械と言えるような物と液体に浸かった少女が居た。
「これ・・さっきの作業員が言ってた・・・」
アナザーはバイオ液に浸かっている少女を調べようと近づいた。
近寄って見てみると容器に名前が書かれてある
【traitor a soul】反逆者の魂
隣にはご丁寧に説明資料まである。
『ACに関する耐久精度向上における細菌による装甲の自己再生のテスト。
まずは人を培養として繁殖させ、それを装甲に付着させ、装甲自体にどれほどの再生能力が生まれるかのテスト。実験は成功、幸いこの少女びには抗体らしい物が最初から備わっており、細菌の汚染にも難なく耐えた。まるで最初から持っていたかのように。だがこれを成功させる為にどれほどの多くの犠牲を費やしてきたか、私はこの仕事を終えたら会社を辞め密かに暮らそうと思う。・・・・・・・・・研究NO.104 研究者 ケルヴィス』
「ACに自己再生能力だと?・・ムラクモミレニアムはなんて事を・・」
他にも何か無いかと辺りを調べるがこれといった物は無く、ただそこに白い肌をした少女が居るだけであった。
「こんな幼い子をこんな目に合わせやがって!・・・・」
近寄ってよく見ると・・・・
「・・・・・・・・・貴方は・・・誰?・・・」
液体に浸かっている少女はこちらを見てニコっと微笑んだ
「!?・・・・な!・・・・・・・」
驚いた、その少女には意識がはっきりとしている。
少女はキョトンとした顏でこちらを見る。その綺麗な目に思わず見惚れてしまうほどに。
「ま、待ってろ!こ・・ここから出してやるから」
そう言って、装置を解除しようと試みた。
だがそれは災難という物語の始まりにすぎなかった。
【GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!】
咆哮とともに爆音が鳴り響く。複数の爆発と共に、施設の上部が消し飛んだ。
「一体何が起こってるんだよ!」
アナザーは焦りと混乱で装置を解除するのに手間取っていた。
だが数分もしない内にそれは事を成す事になる。
「クス・・・おや?まだ逃げていない人が居る
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