13.「スーパースター少佐」

ぽつん・・ぽつん・・・ぽつん・・・・

水漏れがあるのか上から水が落ちてくる。
おそらく外は雨が降っているのだろう。この静けさはあの場所を思い出す、捕らえられ『何かを打たれた時』もこんな静かな感じだった。
あの人はきっと助けてくれると信じていたけども・・・

辛くて苦しくて体中が燃えるかのように熱くて、痛くて・・・・その繰り返し。
それ今のような静けさの時にも感じていた。
今思い出すと『もう1人私と同じ境遇の子が居た』気がする。
その子は私を見て・・・・・・・・
【笑っていた】
私の体が特殊なのは知っていた、それをあの人はそれでも良いと言って愛し抱きしめてくれた。あの人には感謝しきれないくらい感謝している。
何時かその時が来るまで・・そして【あの人と私の子】の為にも生きなければと思う。そう、何時かこの子が争いに巻き込まれない為に私は死力を尽くし、【生きている限り平和を望む】


「少佐、よろしいですか?」

流離狼中尉の声が部屋の外から聞こえる。

「あ、はーい。どうぞ」

ふと我に返り、スーパースター少佐は元気な返事をする。

「アイン中佐からの指示で訓練課程を終えた3名、お連れしました。」

「有難うございます、中尉」

少佐は流離狼中尉に微笑みかける。

「では・・失礼します」

そう言って訓練兵を残し部屋を出て行く。

すると部屋の外で中尉がボソボソと何か言っているのが聞こえてくる。

『うぐっ!・・少佐が帰ってきて良かった!・・生きてて良かった・・・もう扱かれるの嫌ぁ〜』

それを部屋の中で聞いた少佐は


「・・・ふふ、あの人も大変ですね。」

またも笑う少佐。

「訓練課程を無事終えた事、オメデトウございます。ますます厳しくなると思いますが、3人とも頑張ってくださいね。とは言っても、私も指導員なんですが・・」

常に笑顔を絶やさないこの美少女にアナザー、UF5、メビウスは見とれっぱなしでった。
魅了というべきか何か惹きつけられる物が彼女にはあった。
「さてと・・・・・・・・・・ちょっとお話しましょうか。例えば貴方達のこの部隊に志願した理由とか。あ、私の事を聞いてもかまいませんよ。でもスリーサイズとかは止めてくださいね」

「じゃあスリーさいz・・・ゴフ!」


UF5が開口1番良いそうだったのでアナザーはUF5の腋腹に1発食らわせた。
「あんた・・いや、少佐はポーカーフェイス大佐と恋人ってのは本当なのか?」

「アインさんから聞いたのかしら・・・半分正解ですね、後一応上官ですから口の聞き方はちゃんとしましょうね。私とあの人は正式に婚約できていないだけで、すでに私には子供がいます。こんな事していると色々事情が絡んでくるのですよ・・」

アナザーの問いに少佐はそう答えた。
簡易的に考えると人質絡みで弱みを握られるという理由だろう。

「じゃあ、次は貴方・・UF5君だっけ・・貴方はどうしてこの部隊に志願したの?」

「自分は機械弄りが得意で、手先も器用なんですがそれを活かせる物が見いだせず、何か俺に役に立つ事がアレばとこの部隊に志願しました」

UF5の言葉に少佐は

「そういう考えかた立派だと思います、ですからこれからもその意志をつらぬいてくださいね」

そして次はメビウスの番である

「自分は昔荒くれ者でした、悪い事も散々してきました。ある時無関係な人を殺めてしまいそうになった事がありまして。ですが、それを止めてくださったのがポーカーフェイス大佐だったんです。ですから何か恩を返せないかと思いここに来ました」

「・・そうですか。変わり
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まろやか投稿小説 Ver1.50