「・・・解ってると思うけど・・・実戦を想定したからといって・・・・『ついうっかり殺してしまった』は・・・・・・・無しよ・・・・」
アナザー達が作戦を考えている頃、所定位置に居座るフェンリル大尉とその隣にいるアイン中佐。
「クス・・ええ・・・解っていますよ。生死を問わずではなく、『生きていれば』良いのですよね・・・?」
ニヤッっと口が綻ぶ大尉にアインはさらに大尉に釘を刺した。
「・・・もし今度命令を無視した行動を取った場合・・・大佐から貴方を部隊からの除名・・・もしくはこの場での殺害を命令されてるわ・・・・貴方にとっては・・私と戦えるのだから・・その方が良いかもしれないわね・・・」
そう言ってフェンリル大尉の顏を睨みつけると、大尉は元の表情に戻り
「クス・・それも良い提案ですが・・・私はまだ貴方達の本当の力を見ていない・・・。それはマタの機会にしておくとしましょう・・・」
アインも呆れた顔で
「・・・・・・それが懸命よ・・・」
そう言ってる間にも時間は開始の時刻となった。
「行動開始!」
アインの一声で実戦訓練が始まる。
大抵の訓練兵はフェンリル大尉の行動を見極めジリジリと詰め寄る者が多い。だが大尉は囲まれているにも関わらず眉1つ動かさず、ジーと止まったままでいた。
アインもその周囲から数十歩離れ、それを見ている。
訓練兵の中にはナイフのほかに資材を加工した火炎弾や閃光を発する物を持参している者もいた。
訓練兵の個人ステータスにもよるが技術工学において一際優れている者もいる事はアインも知っていた。
それはUF5・デウス。この2名だ
彼等は戦闘工学技術志願の兵であるが頭だけが良くても実際にそれが使いこなせれば意味がないという理由で基礎訓練・実戦訓練に参加している組である。
「・・接近は不利と考えて間接距離からの・・考えたわね・・・」
アインの彼等に対する印象は良であった。だがそれが大尉に通用するかは別である。
「でも・・・大尉は貴方達と違って・・・」
一瞬の出来事であった、まず訓練兵が火炎弾を大尉に投げその投擲着弾予測地点を計算し、次に突っ込んで来た数名の訓練兵を1人ずつ1本のナイフで捌き、火炎弾が落ちてくる頃にはすでに決着がついていた。
「・・場数が違うのよ・・・でも中々おしかったわね・・彼は・・・」
カキン!! 刃の交じり合う高い音
大尉は全ての攻撃を捌いていた・・、だがその余裕が刹那の隙を生んだ。
そう、物陰に隠れた伏兵が居たのだ。そのナイフの刃は大尉の腕ぎりぎりを逸れていた。
「っく・・・・やっぱり駄目か!」
そうアナザーである。
(良いか?まず俺とこいつメビウスで大尉の中尉を引き付ける物はそろっているから直ぐにできるだろう。あとは俺達で大尉を囲んでお前を見えないようにする、お前は俺達をの後ろに隠れようすを見て大尉の腕を狙え!)
(なぜ腕なんだ?)
(こいつを使うからさ、こいつを塞ごうとすれば隙ができて攻撃ができる、防がなくても大尉にはダメージを与えられる。その際お前もダメージは貰うがな)
「くっくっく・・・まさかとは思っていましたが・・やはり貴方でしたか・・・だが1歩足りない・・」
大尉はニヤッっとした表情でアナザーを見下ろすと
「では・・ごきげんよう・・・」
大尉は手に力を入れ、アナザーのナイフを押し返そうとする。
「それはこっちの台詞だぜ?」
「なんですって?・・・」
するとアナザーは大尉の腕を掴むと周囲が真っ白に光り大尉とアナザー周辺を包んだ。
「!!
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