#10:バグ・ハンティング -アミダ・アタック-

には下品としか写らないのである。
 彼女だけではない。いくらジナイーダを前にしての品性を著しく欠く言葉遣いが仲間内から許容されている事を前提としても、クオレは同じ都市のイェーガーやハンター達からすらも、目上の人間に対しても平気で発するタメ口や歯に衣着せぬ毒舌など、口の悪さゆえに周囲から顰蹙を買う事が少なくなかったのである。
 しかし、ディアマントはクオレの戦闘能力は勿論の事、子供に対して向ける素朴な優しさなどに関しては評価しており、あまり多くは訪れなかった共闘の機会では、そつなく彼のサポートに努め、時に彼のサポートを受けて任務を完遂した。
 今も、クオレは敵に戦闘の主導権を握らせまいと拡散ビームで飛行種を撃墜し、彼女をサポートしている。中にははぐれだと分かるソラックスやドラグーンフライがやって来て叩き落とされる様子もあった。
 しかしながらドラグーンフライは、他のハンター達にとっても無視出来る存在ではなかった。クオレ機の拡散ビームで撃墜されなかった機は、視界に入るが幸いとばかりにハンター達に発砲して来たのである。
「みなさん、飛んでるものを狙いましょう!」
 ディアマントは一転し、バルカンを頭上から撃ちかかってくるドラグーンフライを優先順位と定める事を提案した。
「全く、提案はしたけど上手くいかねぇもんだな……」
 言いだしっぺなのに実行出来なかった己の情けなさに気を落としかけるクオレだったが、溶解液と火炎弾が飛んで来たので、落ち込んでばかりもいられない。すぐさま射程より離れながら、拡散モードのブリューナクでドラグーンフライ1機を落とす。
 ブランネージュも、ブレイザー機を追い回している1機にストーカーミサイルを吐き出す。撃墜にこそ至らないが、高機動ミサイルはドラグーンフライを執拗に追い回し、ブレイザーに息つく猶予を与えてくれた。
「くっ、あのカトンボを落とさないと!」
 ブレイザーは武器をハンドガンに切り替え、機銃弾の雨霰の中、EOを収容してディアマントの後を追った。スティンガー2機はオーバードブーストで一度離脱する。ドラグーンフライはゆるやかなグループを組んで即座にその後を追った。
 ブレイザーはその様子を見るや、再びEOを起動。更にハンドガンも同時に繰り出して意図的ではない囮を追いかけていたドラグーンフライを襲う。AC用火器全体から見れば弱威力の攻撃であるが、それでもドラグーンフライを叩き落とすには十分だった。エネルギーEOを浴びた機は次々に翼を砕かれ、両手足や頭をもがれ、後部推進システムを吹き飛ばされて四散。弾け飛んだ仲間の破片にぶつけられて墜落するものさえも出ていた。
 途中、1機に急接近されてコアにバルカンを撃ち込まれるが、反撃で繰り出した銃弾はドラグーンフライの頭部と胴体部を直撃、脆弱な機体の翼をへし折って撃墜せしめた。
 C02-URANUSはEO使用によるエネルギー消費が激しく、ナービス戦争とその後の24時間戦争でも、「ただ使っているだけでOBタイプコアよりもエネルギー消費面で不利になる」と断じられた劣悪なエネルギー関係で批判を浴びる事が多かった。しかし、型番変更の後、機械生命体に対抗する形で各種性能にメスが入れられ、現在はEOの射撃1発当りのエネルギー消費はナービス戦争時代の5分の1近くにまで落ちているため、ジェネレーター出力次第であるが、ブースターとの同時併用でない限りはEOを連射した所で早々へこたれはしない。
 基本性能でも、材質変更やフォースフィールドの搭載によって、防御面はMCL-SS/RAYどころか、24時間戦争時代
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まろやか投稿小説 Ver1.50