り物が転がっている。ブランネージュとブレイザー機の流れ弾が原因だ。
「……やり過ぎなんじゃないのか?」
今は市民が居なかったからいいもののと、クオレが苦言を呈した。
「すみません、上下の揺さぶりが激しかったもので……」
ディアマントがばつの悪そうに頭を下げる中、ガラクタの山を乗り越えて、異様なものが姿を現した。
胴体部は確かにアミダだと分かったが、クモの様な外見で、しかもその足が異様なまでに長い。足の長さは本体の優に10倍はあった。を伸ばして本体を中空に携えながらラインビームを撃つ姿は、まるで宇宙生物を見ているような気分をハンター達にもたらした。
ディアマントに関しては口にこそ出さなかったものの、嫌悪感しか感じないと言うのが率直な感想であった。
「気持ち悪過ぎる」
ブレイザーは露骨な嫌悪を示した。アイザックスも関わるのはちょっと勘弁願いたいと、不意にスティンガーを後退させた。
「全く変態企業め……ザトウムシみたいなヤツまでもこさえやがって」
一方、ゲテモノは見慣れているのかクオレは全く平気であった。そしてザトウムシ様のアミダに襲い掛かり、ハードフィストを本体に見舞ってあっけなく沈黙させたのだった。
「お、おいおいクオレ……平気なのか?」
気色悪すぎる怪物を何の躊躇もなく始末した仲間にブレイザーは驚いていた。同じ立場なら突っ込んでいくのは真っ平御免だと見ているだけに。
「あんなの、ただ足が長くてデカイだけのクモだろ」
「ぜってーちげー!」
クモの方がまだマシだとブレイザーは叫んだ。
「よく平気で触れますよね……?」
ディアマントも若干引いていた。
「慣れてるからな」
そうやって得意げな顔となったクオレは、前方のビルの陰で蠢いていた足を見つけるや、それを引っ張ってザトウムシモドキの足長アミダを引きずり出し、またしてもハードフィストの1発で抹殺してのけた。
「そう言えばクオレ……昔から、彼方此方を渡り歩いて色々なモンスター達と戦っていたと言ってたな……」
「私もそれを聞いた覚えがあります」
アイザックスの呟きをハインラインは肯定した。
「何でも、15歳でハンターデビューして以来、様々なモンスター達との戦いも経験したそうです。無論、当人はジナイーダ潰しを最優先しているとの弁ですが、モンスターがその邪魔になると判断した場合や、金欠の場合は積極的に狩りに赴いていました」
クオレと組んでまだ2年ぐらいで、それ以前の経歴については断片的にしか知らぬハインラインであるが、ミッション後に提出された数々の報告書と、実際にナビゲートしている事で目の当たりにした戦いぶりから、モンスター戦暦に関しても確かであろうと見ていた。
その間にも、クオレは白い骨質の外装甲で覆われ、前足がハサミになった巨大なセミの幼虫を髣髴とさせるモンスター・ボーンマイトの一群を相手取っていた。そいつは肉食昆虫そのままの顎をクオレ機へとへと開放し溶解液を噴射、更にハサミからビームを放って攻撃していたが、クオレは単機でその陣形を突破、背後に回って集束モードのブリューナクで次々に打ち倒し、屠っていた。クオレ機を追ってすぐに振り返ったボーンマイト達だったが、カニス・マヨルはレーザーでそれを妨害。レーザーはボーンマイトの外骨格に防がれ、さしたるダメージには至らない。しかしクオレと、ブレイザーが攻めるチャンスを作ったのは確かだった。
「成る程……今まで知らなかったのですが、若くして幾多の怪物達との戦いを制した歴戦の戦士だったのですね」
いつの間にか諦観者になってしまっていたディアマン
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